もも
うさぎ先輩
さいりえ
本番で演奏すると、いつもの演奏が全然できない…と悩むことはよくありますよね。
練習と本番で、なにがそんなに違うんでしょうか?
違うポイントを考えてみました。
- 楽器がちがう
- 空間がちがう
- 1回きりである
- 聴衆の存在がある
- 緊張感がちがう
- 他人に評価されることもある
順番に説明していきます。
楽器がちがう
弦楽器や管楽器の人なら、いつも練習しているマイ楽器で本番の舞台に上がれますが、ピアノは違いますよね。
本番でいきなり違う楽器を弾かないといけない。
ピアノは楽器によって打鍵の感覚や響き、音色やペダルの踏み心地まで全然ちがうため、楽器が変わると大変です。
毎日練習していたこと、「こんなふうに弾けばこんな音が鳴るはず」と想定していたことが通用しなかったりします。
【対策】
- いろんなピアノに触れる経験を積む
- リハーサルをうまく活用する
- こんなピアノなら、こう弾こう、とイメージしておく


空間がちがう
家の練習室と、本番の会場では空間の広さや雰囲気が全然ちがいます。
ほとんどの場合、本番では家の練習室よりも広い会場で演奏することになると思います。
- いちばん後ろまで音が届いているか
- 自分が出した音がどこまで響くか
- どのくらいの余韻があるか
- 音楽が狭くなっていないか
など、ふだんとは違うことにも気を配れると良いですよね。
わたしは小中学生のころ、よく「本番の会場だと音が響いていない、ひっそりしている」と言われました。
大きな会場で音や音楽を響かせる、ということをあまりわかっていなかったんだと思います(高校生以降も、まだまだ難しいことでした)。
【対策】
- いろんな会場で弾く経験を積む
- 小さなスペースでも良いので、レンタルして数時間練習してみる
- 演奏会を聴きに行き、客席ではこんなふうに聞こえるのか、と発見する

一回きりである
本番の演奏は一回きりです。
演奏してから「やっぱりこうすればよかった」「もう一回弾けば、うまく弾けるのに!」と思っても、後の祭りなんですよね。
演奏経験を積めば積むほど、そのことをよくわかっているので、「失敗できない」と必要以上に固くなってしまうこともあります。
【対策】
- 弾きあい会など、「本番」の回数を増やす
- おうちで家族の人に聴いてもらったり、学校で友だちに聴いてもらったりする(本番のつもりで1回だけ。拍手やお辞儀もアリ)
- 1回きりであることを逆手にとって、今しかない演奏を楽しむ!

聴衆の存在がある
本番では「聴衆(客席で聴く人)」の存在があります。
家ではひとりで練習することが多いでしょうから、この違いは大きいです。
人が聴いていると思うと、失敗したくない、と後ろ向きな気持ちも生まれたり。
その反対に、聴いてもらうことが嬉しくて、いつもと違う演奏ができることもありますよね。
「自分のためだけに演奏すること」と「音楽をだれかに伝えること」。
自分の音楽を追求すれば、自然とその場にいる人にも伝わるのが理想ですが、現実問題、なかなかそうもいかないです。
「伝えるためには、どうすればいい?」と考えることも必要です。
でも、「自分の演奏をだれかが聴いてくれる」ってすごいことなんですよ。当たり前じゃなく、本当に有り難いことです。
リサイタル前の緊張感に打ち勝てるのは、そんな「感謝」の気持ちでした。
【対策】
- 本番前に家族や友人に聴いてもらって、感想をもらう
- 練習しながら、「この演奏で、聴いている人に伝わるかな?」と考えてみる
- 聴いてくれる方へ感謝の気持ちをもつ
緊張感がちがう
「本番よりも、ふだんの練習のほうが緊張する」という人は、いないと思います。
演奏会やコンクールを聴きに行くと、客席にいても息をするのを忘れることがあります。あの空気感って、何なんでしょうね…
もちろん、和やかなコンサートもありますが、演奏が始まるとやっぱり独特の緊張感があります。
その緊張感を楽しむには、よく準備しておき、「どんとこい!」と構えることが一番だと思います。
【対策】
- よく準備しておく
- イメトレする
- 本番の緊張感を楽しむ、好きになる

他人に評価されることもある
試験やコンクールでは、ひとに評価されます。
小数点単位で点数が出たり。
自分ひとりで気持ちよく弾くのと、誰かに点数をつけられる、というのでは全然ちがいますよね。
音楽に集中できれば良いのですが、なかなか難しいことです。
【対策】
- よく準備して、自分を信じる
- 結果を第一に考えない(音楽そのものや、自分の演奏・成長に目を向ける)
- 聴いている人も敵意をもって聴くわけではないと理解する

まとめ〜ふだんと本番は全然ちがう!〜
この記事では、ふだんの練習と本番でちがうことをまとめました。
もも
さいりえ
いつも練習している成果を出せることは目標のひとつだと思いますが、本番ならではの特別感をうまく味方につけて演奏できると素敵ですよね!
本番の緊張感を受け入れ、想定して、準備できれば、納得いく演奏に近づけるかも。
この記事がなにか役に立てば幸いです。


