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【古典派ソナタの基本!】ベートーヴェンのソナタの譜読みと演奏の重要ポイント

古典派ソナタの演奏ポイント

もも

はじめてベートーヴェンのソナタを弾くんだけど、どういうことに注意して練習すれば良いのかな?

うさぎ先輩

わたしは何曲も弾いているんだけど、あまりしっくり来なくて・・・他の時代の曲と何が違うのかしら?

さいりえ

今日は、ソナタを弾くときに特に意識すると良いことをお話するよ!

ピアノの新約聖書とも呼ばれるベートーヴェンのピアノソナタ32曲。(ハンス=フォン=ビューローによる言葉)

ピアニスト、音大生、音高生、愛好家、多くの方にとって必須の素晴らしい作品集ですよね。

初期のソナタは中・上級者のレベルアップには欠かせない素晴らしい曲ばかりですし、中期、後期の作品は「ソナタ」の枠組みを越えた芸術作品として音楽史上に君臨している曲も数多くありますね。

あなたも1曲、もしくは数曲弾かれたことがあるかもしれません。

ですが、

  • なんとなく曲がまとまらない
  • ソナタの良さがわからない
  • 気分にまかせて弾いてしまう
  • コンクールの講評で「もっと古典派らしく」と言われたことがある
  • 古典派を弾くより、ロマンや近代の曲のほうがコンクールより有利でしょ?

など、「ソナタってむずかしいな」「どう弾けばいいかわからない」と思う人も多いのではないでしょうか。

実際はソナタに取り組むときに知っておきたいことは多くあるのです。

そこで今回は、ソナタの譜読みや演奏について、大切で基本的なポイントをいくつかご紹介します。

この記事に書かれた内容をひとつの視点や入り口としてあなたの練習に取り入れていただき、ソナタの本質や魅力を見つめた練習・演奏にしていただければと思います!

ひとこと

  • この記事は主にベートーヴェンのソナタの1楽章について書いていますが、それ以外の古典派の作品に共通するポイントもあります。
  • 各項目で関連noteをいくつかご紹介しています。noteは会員制で有料になりますが、各記事の途中まではどなたでもご覧いただけます。

形式・構成を理解する

ソナタは構成がしっかりしていて、シンプルに演奏しても立派に聞こえる曲が多いです。
とはいえ、「シンプルに、過不足なく」というのがとても難しいですよね。

そのためには、「構成をしっかりと理解して、演奏に役立てること」が何よりも重要です。

こんなことに注目して、より深く楽譜を読んで練習してみてください。

ソナタ形式の理解

  • 提示部ー展開部ー再現部はどこ?
  • 第1主題、第2主題、確保や推移のモチーフ、コーダはどうなってる?
  • 主題はどのように展開されている?
  • どこでどんなふうに転調してる?

など、大きな構成を理解します。
設計図のようなものですね。

ごくシンプルに説明しますと、ソナタ形式は次のようになっています(以下は基本的な形。例外も多いです。)。

STEP.1
提示部①第1主題部〜推移
第1主題の提示、確保。第2主題への推移。

推移部では、主調から第2主題の調へ移行していきます。
冒頭に序奏が加わることも。

STEP.2
提示部②第2主題部〜小コーダ
転調されて第2主題が提示。

属調や、近い調への転調が基本です。長調と短調が異なることも。

小コーダも主調と異なる調のまま終わります。

STEP.3
展開部
曲が発展していきます。ここで大きく盛り上がる曲も多いですね。

提示部で出てきた2つの主題が展開されたり、断片的に登場したモチーフや新たなモチーフが発展していくことも。

いろいろな調へ転調していくことも多いです。

STEP.4
再現部①第1主題部〜推移
提示部と同じ調・形で再現されるのが基本ですが、例外もあります。

ただし第2主題に向けて、異なる和声や調の動きをしていきます。

STEP.5
再現部②第2主題部〜コーダ
提示部と異なり、主調もしくは同主調で第2主題が戻ってきます。そして提示部の小コーダと同じ形が、今度は主調で締めくくられます。大きな作品では長大なコーダが加わることも。

さいりえ

まず例外の少ない、基本的な構成を学ぶならソナタの1番、5番、10番などがおすすめです!
アナリーゼが苦手な人への楽曲分析ポイントアナリーゼが苦手な人へ。とっつきやすい楽曲分析の方法を項目別にまとめたよ!

主題の重要性

中でも、「主題」はとても重要です。
とくにベートーヴェンの場合、主題の「性格」と「対比」が大きな要素になります。

  • 第1主題と第2主題を、それぞれどのように弾くか?
  • 主題とそれ以外の部分との対比は?

たとえば、つなぎのメロディーと、次に出てくる第1(もしくは第2)主題を同じテンション、同じように弾いてはソナタ形式の良さが出ません。

主題は主題らしく主張する。
副次的な旋律は、主題とは違う位置づけで演奏する。

ということも大切です。

関連note

では、それぞれの主題のモチーフをどう解釈するの?というお話はこの下で書いていきます。

楽譜の読み方について

次は、具体的な楽譜の読み方についてです。

各モチーフの分析と主張を考える

それぞれのモチーフの主張やキャラクターをくっきりとすることが重要です。

その際の着眼点として

  • どんな形のモチーフ?
  • 音程で印象的な部分はある?
  • リズムの特徴は?
  • フレーズの長さ、単位は?
  • アーティキュレーションや強弱記号でわかることは?
  • 和声の進行や間隔は?
  • 曲中(楽章間も含む)で関連のある要素は?

パッと場面やモチーフが変わるところは、息のとり方やタッチの使い方も工夫して、キャラクターが変わるように演奏します。

楽譜にはたくさんの情報が含まれています。

一つ一つの要素を掘り下げていくと、どこまでも奥深い世界が見えてくるのではないでしょうか。

強弱記号の奥にあるものは何か?

まずは、楽譜にかかれているfやp、sfなどの強弱を正確に読み取ります。
ベートーヴェンのソナタは「subito P」 や急激な変化など、楽譜どおりの強弱記号で弾くだけでもかなり大変です。

ただ、それが「単なる音量」にならず、意味のあるものにしなければなりません。

ひとつのfでも、曲によってキャラクターや、内にこめられているものが違います。
ただ物理的に音量だけが変わっても、fやpに聞こえないこともあるんですよね…

どんなf?どんなp?というのを、必ず考えて探していきましょう。

関連note


演奏について

では次に、演奏していくときの大切なことをいくつかお話します。

ベートーヴェンの生涯を知る。ピアノの歴史も重要!

これはどんな曲を弾くにも大切なことですが、作曲家の人生や作品が書かれた背景について知りましょう。

  • 一体この曲にはどんなメッセージがこめられているのか?
  • 何を思って書かれた曲なのか?

わかりやすい曲、むずかしい曲があるかもしれませんが、作曲家や時代背景について知ることが助けになります。

はじめは、シンプルな伝記を読むことからでもかまいません。

また、ベートーヴェンの時代はピアノという楽器が大きく発展した時期でもあります。

「ピアノという楽器を生かして、どんな世界や響きを描こうとしたのかな?」と考えてみることも意味があります。

以下の2冊はわたしも気に入って読んでいる本です!

オーケストラや弦楽四重奏をイメージする

オーケストラをイメージして」とレッスンで言われたことがある人も多いと思いますが、あなたの中でそのイメージが鮮やかにふわ〜っと広がっていますか?

古典派のソナタは、オーケストラや弦楽四重奏曲などをイメージして作られた曲が多いです。

作曲家たちは交響曲や弦楽四重奏曲をたくさん書いていますので、ピアノ・ソナタを書くときにもそのイメージや書法がたくさん表れているんですよね。
(もちろん、ピアノならではの表現が強い曲や部分もありますが)

  • このfはtutti(オーケストラがジャンっと全員で奏する)のイメージだな
  • ここの右手はヴァイオリン、左手はチェロのようななめらかなフレーズで
  • このスタッカートはポッポッポと木管楽器のイメージで

など、音や表現のイメージがあればあるほど、演奏は変わります。

交響曲や弦楽四重奏曲、もしくは好きなオーケストラ曲でもいいので、たくさんの素晴らしい演奏を聴いてください。
そうすれば、ピアノを弾いていても、ほかの楽器やいろんな人が音楽を奏でているイメージが鮮明に出てくると思いますよ。

和声、カデンツ、転調などに敏感に

I-V-I などの単純な和声・カデンツに、何を感じられますか?

同じ和音進行を聴いても(弾いても)、とくに何も感じない人と、とても多くのことを感じる人がいると思います。

ひとつひとつの和声の響きや動きに敏感になれると、演奏がぐんと変わります

転調も同じです。

古典派のソナタでも、アレッ?というほどの遠い調(遠隔調)に転調することもありますし、劇的な転調もあります。

まずは、感じること。そして次は、どう弾けばその美しさや面白さ、劇的さを人に伝えられるか?と考えて、音にしてみてください。

(参考記事)調性感&和声感のある演奏って?
調性感と和声感のある演奏調性感・和声感のある演奏に必要なこと

関連note

▼今日からできる!和声感のある演奏への1ステップ(全文・動画無料)

▼ソナタの和声分析と演奏の関連

テンポ、リズムの重要性

以前、指揮者の先輩のレッスンにときどき同行させていただいていたとき、ベートーヴェンの交響曲のレッスンも何度か受けました。

そのとき、とにかく「リズムを正しく」「正しいテンポ感で」と何度もおっしゃっていたことが、今でも印象に残っています。

ベートーヴェンのソナタは安定したテンポ、生きた拍感、リズム感がとても大切です。

けっしてメトロノームにガチガチに合わせるという意味ではありませんが、古典派らしい拍感や音のまとまりを探していけると良いですね。

関連note

▼バッハや古典派らしい演奏に大切なこと。テンポ感についてもお話しています。

全楽章の演奏にチャレンジしよう!

ソナタというと、とりあえず1楽章を演奏する機会が多いと思います。

でも本来は、全楽章をひとまとめとして弾くことを想定して書かれています。

余裕があれば、ぜひ全楽章の演奏にチャレンジしてみてください。

  • 楽章ごとの曲調の違いと共通点があったり
  • 同じモチーフが全楽章にわたって使われていたり
  • 通して弾くことで一つの世界ができたり

いろんな発見が得られると思います!

1楽章はソナタ形式、中間楽章はゆっくりの楽章やスケルツォなど、そして終楽章はロンド形式で書かれている曲が多く、いろんな様式の経験にもなりますね。

おわりに

この記事では、ベートーヴェンのソナタに取り組むときに考えたいことや意識してみていただきたいことをまとめました。

ベートーヴェンのソナタはピアノ学習者、演奏家をめざす人には必須の素晴らしいレパートリー!

ベートーヴェンのソナタをどうすばらしく弾くか?というのは、長い年月かけて作品と向き合ったり、しっかりレッスンを受けたりして、あなたが(そしてわたしも)探していく、歩いていく道です。

ブログ記事1本で書けるものでは到底ありませんが、この記事があなたにとって、ほんの少しの助けになれば幸いです。

充実した学びの時となりますように応援しています!

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