ピアノの本番、直前でもないのに、なんだか気が焦る、落ち着かないことってありませんか?
わたしは、ときどきあります。
もも
これって、単純に弾けていない、練習時間がとれない、というだけでなくて、思考や気持ちの問題も大きいんですよね。
具体的な対策を考えました。
🔹本番までに間に合わない気がするとき
✔︎本番までに毎日どれだけ練習時間が取れるかを書き出す
✔︎理想の演奏までのステップを細かく書き出す
✔︎どこかで人に聴いてもらう、違う環境で弾くなどの日をつくる
✔︎細々とした雑務を終わらせる
気持ちばかり焦るときは落ち着ける対策から。
— ぴあのぷらすメモ (@pianoplusmemo) August 18, 2019
練習時間も必要ですが、何よりも頭と心をスッキリさせられると、同じ時間でも有効に濃くつかえるハズです!
「本番までまだまだ日はあるはずなのに」「忙しいから焦る…」という方は、この記事を読んで頭が整理されることを願っています。
もくじ
問題を細分化&可視化する
まず、問題をこのように整理します。
- 細分化(こまかくわける)
- 可視化(「かしか」…見えるようにすること)
くわしく書いていきますね。
ほんとうに「間に合わない」の?
間に合わない!といえば一言ですが、それはつまり
- 現在の演奏が、あなたが目標とする演奏に至っていない(届いていない)
- 目標とする演奏に至るまでに、時間が足りない
ということですよね?
でも、本当にそうでしょうか?
さいりえ
もも
きっと、もっと漠然とした状態なのでは?と思います。たとえば
- どう弾けばいいか、わからない
- 自分がいまどんな状況かわかっていない
- 何が一番必要か、よくわかっていない
- 時間がない気がするけど、本当はあるのかもしれない…
「間に合わないよ〜!」と焦るときの大半は、このように本当の原因がつかめていないことが大きな焦りの原因だったりします。
焦りの原因、心配ごとを具体的に書き出す
問題や心配ごとを、細かく分けていきましょう。
もも
さいりえ
- ◯〜◯ページの暗譜がまだできていない
- 弾きたいテンポで弾けていない(△△くらいで弾きたいけど、現在は××くらい)
- あまりよくわからずに弾いている部分がある(どの部分)
- 音が雑で、きれいじゃない(全体?部分?)
- 毎日◯時間練習したいのに、できていない日が多い
- ◯と◯の予定があって練習できない日がある
など、できる限り具体的に書き出します。
- 数字にできるものは数字にする
- いったん思いついたら、「本当にそうなの?」と自分に問いかける
- 「思い込み」ではなく「事実」を書くように意識する
リストアップすることで、なんとなく落ち着かなかった気持ちから、少し冷静になれたのではないでしょうか。
この項目のポイント
- 問題点、心配ごとを細かく分けて具体的に書き出す
- 「間に合わない」は思い込みかもしれない
- リストアップするだけでも、少し頭がスッキリするはず!
理想の演奏までのステップを細かく書き出す
次に、理想の演奏に近づくために必要なことを細かく書き出します。
例はこんな感じです。
- ◯〜◯ページの譜読み・暗譜を確実にする
- テンポを△△まで上げる
- 〜〜の部分の音色や表現を納得いくまでやる
- 曲全体をアナリーゼする
- 曲のキャラクターや世界づくりについてじっくり考える時間がほしい(大体どのくらい)
- ◯◯の本を読む(◯冊)
などなど…
理想の演奏が浮かばない、という方は以下の記事もご参考になさってください。
とはいえ、ピアノの練習は参考書のページを計画するようにはパキッと計画できるものではありませんし、その日の気分や発見で全然ちがう内容になることもあります。
これは、本当の計画表を作るため、ではなく、現在のあなたの心の不安を取り除き、具体的にやれることに目を向けるためと思ってください。
そのため、かならずしも実際に書いたとおりに練習しなくてもかまいません(多少の参考材料にはできると思います)。
この項目のポイント
- これからやりたいこと、やるべきことを書き出す
- できるだけ細かく具体的に分ける
- 目標は変化していくものと考え、参考程度に使う
本番までに毎日どれだけ練習時間が取れるかを書き出す
次に、あなたの「時間」がどれだけあるのかを整理します。
「本番まであと1ヶ月!」「あと1週間!」などの言葉をつかうことが多いと思いますが、
人によって、また時期によって全然ちがいますよね。
たとえば、同じ1ヶ月(30日)でも、このように
- ピアノに専念できる環境で毎日6時間以上練習できるAさん(180時間)
- 仕事しながら毎日1時間、土日に4時間ほど練習できるBさん(約54時間)
- 1ヶ月後に弾く曲以外にも、山ほど仕事とレパートリーをかかえているCさん(?)
Aさん、Bさん、Cさんの1ヶ月では、内容が全然違います。
実際にどれだけ練習や準備の時間がとれるのかをリスト化してみましょう。
(参考)わたしが以前リストアップしてみたメモです。
以下のことを書き出しています。
- 日付
- 何時間とれるか、事前に書き出した数字
- 実際にできたら◯や◎、できなければ△、×
- コメントを書く日も
- 合計時間を書く。(下の例では、ある時点から9/15までに52時間、9/22までに63.5時間)
何時間できるのか?わかれば具体的な対策が取れます。
あとは、濃度を濃くしていけると良いですよね。
先ほどのAさん、Bさん、Cさんの例ですが、おなじ1時間でも練習や研究の内容や濃さがちがうので、ひとくちに「◯時間」と言っても全然ちがったものになるでしょう。
練習時間をより有意義にしていくための、ポイントを絞った練習方法や考え方は、このブログやnoteでも書いていますので、ご参考にどうぞ。
この項目のポイント
- あなたがもってる「時間」を具体的に意識するのはとても大事。
- 「日数」ではなく「何時間あるか?」「何時間つくれるか?」で考えよう
- おなじ時間でも、濃度を高めればできることは増える
あなたのもっている時間と、やりたいこと、やるべきことをかけ合わせる(大まかでOK)
ここまで来たら、だいぶ頭がスッキリしてきますよね。
これまでリストアップしてきた「あなたがこれから本番までにもっている(つくれる)はずの時間」と、「理想の演奏に近づくためにやりたいこと、やるべきこと」を合わせていきます。
もも
さいりえ
ピアノの練習は独特なので、通常のタスクのように確実な時間はわからないですよね。
「案内文作成=40分」「◯◯さんにメール=5分」みたいにはいかないですよね…
ただ、経験を積んでいくと、正確ではなくても「だいたいこのくらいで、◯◯ができるかな」という予測は立てられるようになります。
予測を立てるためには
- 意識的に練習する(いま、何をやってるか・昨日よりもどういう変化があったか など)
- 日々の練習の記録をとる(◯を何分やった、何分かかった など)
などの行動をしていけば、あなたの中で少しずつデータ化ができますし、レベルアップの目標にもなります。
ピアノ以外の細々とした雑務を終わらせることも有効だったりする
ちょっと気分を変えて、ほかの対策を2つご紹介します。
まず、雑務をやってしまうこと。
本番前は忙しくて、いろいろな用事を後回しにしがちですよね(わたしです)。
それでもしかたないんですけど、落ち着かないときは思い切ってそれらを片づけてしまうのも一つです。
「あれやらなきゃ…」「あれもできてないし、わたしダメだな…」などと、常に気にしていると脳の容量も無駄に使ってしまいます。
サクッとやって、ピアノに集中しちゃいましょう!
どこかで人に聴いてもらう、違う環境で弾く日をつくる
これは絶対やった方がいいです!
意識がガラッと変わりますし、現状を確認することもできます。
通し練習のポイントや、環境を変えることについては参考リンクをご覧ください。
本番に向けての通し練習。3種類の目的と方法〜ただ通すだけじゃダメ!〜

本番前にホールやサロンをレンタルして練習してみよう~新鮮な感覚・演奏へ~

それでも時間が足りないと感じるときはどうしたらいいの?
もも
そんなときにできることは何でしょうか?
- 練習にあてる時間を増やせないか考える
- もっと内容の良い練習をすれば、同じことを短時間でできないかと考える
- やりたい項目の数をとりあえず減らす
- (今後に向けて)長期的に総合力を上げられるようにする
上の2つは、時間に関することですね。
3つめは、「あれもこれも…」と考え出すとどれもできなさそうに感じるときに。
「とりあえず、暗譜してきれいな音で弾くことを目標にしよう!」という感じで、「これなら頑張ればできそう!」と思える内容を目標にしましょう。
もしくは、許される環境なのであれば「暗譜はやめて、内容を深める」ということも選択肢ですよね。
それでも無理…と感じる場合は、
- 音楽的な地力が足りない(基礎技術やソルフェージュ力など)
- スケジュール、プロデュースの面で失敗している(明らかに現在の状況では弾けない、間に合わない曲を選んでしまった)
- ネガティブ思考が大きくなりすぎて動けなくなっている
などの理由もあるかもしれません…。
ただわたしの考えでは、よほど直前でない限り(2〜3日前とか)は、きっと道があると思っています!
直前でどうしても間に合わないという場合は、ある程度割り切ってしまい、「せめてコレだけはやろう!」と目標を絞った方がいいですね。
直前で弾けなくて泣けてくる人へ。落ち着いて舞台に上がってください

本番が終わって「間に合わなかった…」と思うなら、次は防ごう!

まとめ〜気持ちばかり焦るときは落ち着ける対策から!〜
この記事では、本番までまだしばらくあるのになんだか落ち着かない、間に合わないんじゃないか…と不安になる方に向けて、対策方法をご紹介しました。
これは他人事ではなくて、わたしもよくそうなるので、自分自身のためにも書きました。
同じように感じている方のご参考になりましたら幸いです!