こんにちは。さいりえです。
最近はピアノコンクールの審査に携わることもちょくちょく増えています。
コンクールの舞台って、なんであんなに緊張感があるんでしょうね。
コンクールで弾く前に、緊張と恐怖とたたかっている人も多いと思います。
うさぎ先輩
もも
そこでこの記事ではそんなあなたへ、審査員経験のあるわたしから、「審査員はどう聴いているの?」というお話を書いていきます。
この記事を読めば、
「あれ?コンクールって緊張すると思っていたけど、そこまでこわがらなくてもいいのかもしれない!」と、肩の力が抜けてきますよ!
・緊張するとあせっちゃう!→本番で緊張してあせる、速くなる人へ。失敗を防ぐ練習方法は?
・緊張しない方法ってないの?→本番で緊張しないためのイメージトレーニングの方法
・間に合わないよ〜!→コンクール直前なのに仕上がらない!間に合わない!と焦ったら?
・暗譜がこわすぎ!→暗譜がこわい?苦手を解消する17の練習メニュー
もくじ
審査員はどう聴いているの?
人に評価・審査されるということ
世の中の多くのコンクール。
専門家の方に聴いてもらえて、評価、アドバイスをいただけるというのは貴重な機会のはずですが、
コンクールを受ける、演奏するあなたはどう思いますか?
コンクールでも「まったく動じず音楽に集中」できたり「私の演奏、聴いて!」「聴いてもらえて嬉しい!」と、楽しめれば素晴らしいですが、なかなかそうもいかずお悩みの方も多いのではないでしょうか?
審査されると思うとこわい、緊張する・・・
「審査される」って、どうしても楽しく思えないこともありますよね。
「審査員に見られている」「失敗したら落とされる」などと意識、無意識で考えてしまい、すごく怖く見えることもあるのではないでしょうか?
それで必要以上に緊張してしまったり、それが演奏に影響したり。
その気持ちは、よくわかります。
それほど、舞台に出て、演奏して、他人の評価を待つ、ということは重圧を感じることなのです。
審査員はこわく見える?実はこわくないよ
でも、審査員って実はそんなにこわくないし、あなたの演奏も応援しているんですよ。
今日は、審査するときに私がどんなことを考えて演奏を聴いているか、書いてみたいと思います。
少しでも、コンクールに対する「過度な緊張」「恐怖心」がやわらぎますように。
審査席で思うこと
審査員も、音楽を心から愛する人であり、人前で演奏することの大変さをよく知っているひとりです。
だから、皆さんの演奏する姿を見て、こんなふうに思っています。
演奏するあなたを、応援しています!
舞台に立つということは、本人も周りもたくさんの時間を費やし、努力して当日を迎えているわけです。
それがどれほど大変で、素晴らしいことか、というのは私もよく知っているつもりです。
一人ひとり顔も体も衣装も違うし、出す音も違いますが、
誰もが「緊張を乗り越え、受けとめ、その人の持っている力を発揮してくれたらいいな」というのが純粋な思いです。
素敵な音楽にめぐり会いたいな、と思っています!
客席側から舞台を見ているので、「審査員」でありながら「お客さん」でもあります。
- 素敵な音楽。
- 美しい音色。
- ハッとするような表現。
- これだ!!と納得できるような表現。
そんな音楽にめぐり会えることはとても嬉しいことなんです。
これらは「流暢に弾きこなす上手な人」だけに限るのではなく、まだピアノを始めて期間が短いようなお子さんでも、ハッとするような素敵な音色やセンスを見せてくれることがあります。
もしくは、1曲を通して見るとまだうまくいかないことがあって賞に入らないような場合でも、一か所「今、すごくきれいだったなぁ!」と思うこともあります。
そういう瞬間は、審査していて嬉しいんですよ。
精一杯の演奏にこたえて、誠実に評価したい
毎日たくさんの努力をかさねて当日を迎えた出演者の皆さん。
その姿、演奏に応えられるよう、こちらも真っすぐに評価したいと思っています。
公正に評価すること
音楽・演奏というのは正解がある世界ではないので、どうしても自分の主観や価値観は入ります。
でも、自分が今まで大切にしてきた音楽観や信念をしっかり持って、その日一日(同じ部門の審査で)ぶれずに同じ基準で審査するようにしています。
(1年後は、自分も変化しているので、同じ演奏を聴いても別の点数をつけているかもしれません。それはそれで良いと思っています。)
未来へつながる講評をすること
※参加者の皆さんへの講評シート記入や全体コメントがあるコンクールの場合です。
演奏者それぞれの様子を見て、次へ繋がるようなヒントをご提案できることを第一に考えています。
- その人が当日の舞台までに一生懸命やってきたことを見つける
- もっと素敵になるポイントについて、できるだけ具体的に書く
- その曲だけでなく、これからに繋がるようなポイントを見つける
(こんなに書くことも!→4日間のコンクール審査 / 名古屋にてコンクール審査。と、講評用紙について)
そんなわけで、長時間審査席にいて、真剣に聴いていたり、体(肩・腰・手など)が疲れてきたりして無表情になっていることもあるかと思いますが
「一音でもミスしたら落としてやろう」とか「失敗してしまえ」とか、そんなことは1ミリも思いませんので(当たり前です)、こわがらないでのびのびと弾いてくださいね。
あたたかい先生方にならって
私がいままで出会った先生方は、いつも熱意と愛情をもって審査されていました。
なんでこんなに愛情にあふれているのだろう?と感動することもありました。
そのお姿に学びながら、私も先生方のように、あたたかく真剣な思いをもって聴かせていただきたいと思っています。
審査されるのがこわい、緊張するというときの対処法を一つ
では最後に、「それでもこわいよ〜」と、得体のしれない恐怖心がやってくるあなたへ。
昔から「客席の人たちはみんなカボチャだと思え」というアドバイスがあります。
これをもう一段階進めて、「客席の人たちはみんな応援団だと思え」と言わせていただきます。
とにかく無理やりにでも、そう考えてみてください(私も、無理やりそう考えることが今でもあります・笑)。
自分への応援メッセージをとなえてみよう!
「みんな私を応援してる!!」「みんな、私が素敵に弾いたら嬉しい!」
「審査員も私を応援してる!!」「審査員も、私が素敵に弾いたら嬉しい!」
お名前がわかるときは「○○先生も私を応援してる!!○○先生も私が素敵に弾いたら嬉しい!・・・」と言ったらもっとそんな気になれます。
本番前日、直前、こわくて震えが止まらない・・・という人は半信半疑でも声に出してみてください。
ほかにも、具体的な対策方法をご紹介しています!
まとめ〜こころもからだも、落ち着いて舞台へ〜
演奏前の心身の状態というのは、本当に演奏そのものを左右します。
練習不足で失敗するならあきらめもつきますが、ありもしない幻影や思いこみ(例:審査員は私が失敗するのを待っている~~)を無意識に持ってしまっていつもの力を出せなかったら非常にもったいないことです。
何かコンクール前の緊張が和らぎましたら嬉しいです。
コンクール直前なのに間に合わない!結果が出なくて落ち込んでしまう。そんな、コンクールのお悩みに関する記事はこちらのカテゴリー(コンクール)からもご覧になれます。
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