もも
うさぎ先輩
さいりえ
譜読みが苦手、という方は一定数おられますが、その中でも
譜読みのお悩み
- 音をつい間違えて読んでしまう
- 間違えた音を弾いても気づかない
- レッスンで言われてもなかなか直せない
というお悩みもけっこうあるようです。
そこでこの記事では、音間違いを減らすためのポイントや心がけについてお話します!
- 楽譜を見る上でのポイント
- 楽典やソルフェージュの面から
- 練習やレッスンでの心がけ
の3つの項目で、お伝えしていきますね。
もも
もくじ
最初にお伝えしたいこと
最初に、とても大切なことを書きます。
それは
楽譜上のどの音も、音楽の中で必要な音
ということです。
音の読み間違いを減らすとき、ややこしい曲を譜読みするとき、つい作業のように譜読みしてしまうこともあるのですが、
- この音は▲じゃなくて●だからこんなに美しいんだな
- なるほど、ここは特別な進行なんだ
- 譜読み間違いしていたけど、間違ったままだとなんだか変な響きだな
と、音の意味、音が伝えたがっていることに共感してみてください。
譜読みミスを直すというより、「正しく弾くとこんなに素敵なんだ!」と実感できれば、自然と正しい音を覚えられるはずです。
では、具体的なお話に入ります。
楽譜を見ることについて
まずは楽譜を見ることそのもののお話です。
楽譜の種類から、読み方までのポイントをお伝えします。
見やすい楽譜を使う
これ、意外と大事だったりします。
大きさや印刷や割付が見やすい楽譜のほうが、音間違いは減ります。
- 楽譜そのもの(本、用紙)のサイズが小さい
- 音符が小さい
- 音符や五線の間隔が詰まっている
- 音楽的に脈絡のないところで改行、改ページされている(慣れれば問題ないですが)
- 紙質や印刷の質
などの原因で、読みにくかったり、人によって合わなかったりします。
好き嫌いや慣れもあるかもしれませんね。
楽譜を選ぶときは、校訂などの内容が大事ですが、譜読み間違いが多い方は「見やすさ」も意識してみられてください。
さいりえ
パターンをある程度知って、読む
日本語の文章を読むとき、知っている単語が多いほうが読みやすいですよね?
それと同じで、
- リズムの組み合わせ
- 和音の形
- 複数の臨時記号の並び方
- 加線
など、ある程度知っていて形で読めると読みやすくなります。
一から読むのではなく、大部分を感覚でぱっと読んで、残りをじっくり確認して読むイメージですね。
縦にも横にも読めること
ピアノの楽譜は横のラインでも読みますし縦のハーモニーでも読みます。
ひとつの音符が、いろんな文脈に属しています。
どちらにも読めると、間違いが減るでしょう。
楽典の知識やソルフェージュ力など
このブログでも、しつこく「音楽基礎力が大事」とお伝えしていますが、譜読み間違いを防ぐためにも、やはり大切です。
🔸ソルフェージュと演奏でまず目標にしたいライン
※基礎編
✓楽譜を見て頭の中で音が浮かぶ
✓頭に浮かんだ音と鍵盤が一致する
✓浮かんだ音・鍵盤と指が一致(スッと指が動くかは経験にもよる)
✓鳴った音の音高や長さを判断できる(もちろんできれば音質・音色も)
✓頭の中の音との相違がわかる— ぴあのぷらすメモ (@pianoplusmemo) November 26, 2020
🔸ソルフェージュと演奏でまず目標にしたいライン
※調性編
✓全調の調号、固有音、音階がわかる、弾ける、聴ける
✓全調のカデンツがわかる、弾ける、聴ける
✓基本的な和音分析ができる(段階の例①固有和音、非和声音②ドッペルドミナント程度③転調のポイント・借用和音)— ぴあのぷらすメモ (@pianoplusmemo) November 26, 2020
以上はどんな場面でも大切な力ですが、ここからはとくに「譜読み間違い」という視点で書いていきます。
調性感をつける
まず知識として、各調の固有音を理解しておくと格段に楽譜が読みやすいですし、間違えたときにも気づきやすいです。
そして、知識と耳と手と目、全体で覚えます。
とくに耳は大切です。
各調の音階の並びや和声の響きを覚えていると、「ここは◯調なのに明らかに不自然」という間違いが減ります。
また現代曲でも、調性感のある部分と調性感の希薄な部分の見分けがつくようになるので、読みやすくなりますね。
調性感もとても奥が深いのですが、まずは全調のスケール・アルペジオや複数の終止形の練習から始めてみましょう。
移調練習も効果的です。
ハノン・スケールとアルペジオの使い方。ただの指練習じゃない!臨時記号のルールを知ってしっかり実践
臨時記号のルールはシンプルです。
- 同じ小節のあいだ有効
- 高さが違うと無効
と基本的なことなのですが、曲を弾いているとつい気づかないことがありますよね。
よく見れば気付ける部分なので、間違いが多いなぁとお悩みのときは慎重にチェックしてみてください。
小節内で臨時記号が出てきたら、その音を楽譜上で指さして小節の終わりまで、「スススー」と右になぞってみましょう。
同じ音なのに#や♭、♮を忘れている場所に気づくかも?
さいりえ
自分の音を聴ける
ものすごく大事です!
調性感などを持った上で聴けることが大事ですね。
- 頭の中で音階や和音やメロディを浮かべる
- 耳で、頭の中の音楽と、実際になった音とを照合する
この精度が高いと音間違いは減りますし、仮に間違っていても気づきやすいです。
耳はこのほかにも音色や表情やリズム感、あらゆることを聴かないといけませんので、大忙しですね。
作曲家の語法や響きを知っている
初めての曲でも、作曲家の他の曲を弾いたことがあったり、響きを知っていたりすると進行や響きを少し予感できたりします。
これも、知っていて→耳で確かめるということになりますね。
レッスンや練習での取り組み方
次は、レッスンや練習での具体的な取り組み方です。
音の読み間違いを指摘されたら直す
音色のことやリズム感のこと、漠然としたことは「直す」「直さない」の二択では分けられないのですが、音間違いに関しては「直す」か「直さない」の二択です。
音間違いを指摘されたことは、直せます(注:ミスタッチではなく、読み間違いのことです)。
「直せない」「直らない」と思っている方は、厳しいですが、「自分は、直さないことを選んでしまっているんだ」と一度自覚してみてください。
- ◯印をつける
- 付箋を貼る
- ノートにチェックシートを作る
など、1回で直せるための具体的な行動をとっていきましょう。
もも
うさぎ先輩
暗譜で弾いたりテンポを上げたりすることで、ほかに気をつけることが増えたり余裕が少なくなったりするので、確実に直せていないと再発してしまうんですよね…。
「楽譜を見て注意して弾けば、直せる→無意識でも直せている」と、段階的に音間違いを減らしていきましょう。
楽譜をよく見て弾く癖をつける
楽譜を模様でざっと見る能力も大事ですが、音間違いが最近多いな…という場合は、いちど視野を絞って、一音ずつ目を皿にして見ながら弾いてみてください。
片手ずつとか、ゆっくりの練習でもかまいません。
そのときに、
「目で楽譜を見る」
→「頭の中で鳴らして、音を想像する」
→「実際に音を出す」
→「出した音を聴く」
→「判断する」
という順番です。
頭の中で鳴らさずに指を動かすと、気づかないことがあります。
自分のくせや苦手ポイントを知る
人によって、間違えやすいポイントがあります。苦手ポイントとも言えるかもしれません。
- 16分音符が続くと読み飛ばしてしまう
- 和音がかたまってギュッと書かれていると間違えやすい
- 加線が苦手
- 臨時記号のミスが多い
- 違う音を鳴らしていても気づかない
など、苦手ポイントによって解消方法もさまざまです。
でも、かならず譜読みミスは軽減できます!
なお加線が苦手な方にはこんな読み方がおすすめです↓
譜読みが速く/得意になるには?【第2回】音符をすばやく読むコツ
まとめ
この記事では、譜読みが苦手な人、つい音を間違えて読んでしまう…という人へ、音間違いが減る方法をお伝えしました。
わたしも雑に譜読みしてしまって間違えたまま弾いてしまうことが今でもあるので、気をつけねばと思います。
お悩みの方のご参考になりましたら幸いです!
譜読みに関する記事です。
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