もも
うさぎ先輩
もも
さいりえ
「黄色い本」。
いままで幾多の学生や音楽愛好家が通ってきた道ではないでしょうか?
正式名称は、「楽典〜理論と実習〜」です。
楽典の知識は、演奏のために絶対に必要なのですが、演奏と切り離して勉強すると、
- 苦手になったり
- ピンとこなかったり
もします。
そこでこの記事では、ピアノ演奏をする人向けの「黄色い本」勉強ポイントを、単元ごとに解説していきます。
こんな方に向けた記事です。
- 中学生以上(小学校高学年でも2冊め以降ならOK)
- ピアノは弾けるけど、楽典について勉強したことがない人
- 弾いている曲の調性や和音について、ピンとこない人
- 譜読みまちがいが多い人
- 音楽高校や音楽大学受験の対策を始めたい人
- 黄色い本を独学ですすめたい人
- 楽典のレッスンをどう進めれば良いかわからない先生
- 黄色い本を一通りやった人のおさらいに
さいりえ
もくじ
黄色い本「楽典〜理論と実習〜」の使い方
まず、黄色い本の使い方を簡単に説明しますね。
簡単に言うと、こんな感じです。
- テキストを読んで知識を得る
- 音を出して実践、実感する
- 自分の演奏に生かす
さいりえ
具体的な使い方は、このような流れで行うとスムーズです。
この記事では、とくにSTEP1〜3の助けになるように、
- 「黄色い本」各章のポイント
- 学習の進め方のアドバイス
を解説していきますね。
序章 音、純正律と十二平均律
この章のポイント
- 楽音の3要素(高さ・強さ・音質)
- 倍音について知ろう!
- 純正律と平均律について
さいりえ
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ここでとくに重要なのが、「倍音」です。
演奏するとき、
- 倍音を聴く
- 倍音を共鳴させるような音色で弾く
ことは、和声感をもった豊かな響きのためにとても重要なので、知って実感しておきたいことです。
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純正律と平均律については、知らない状態からいきなり読んでもわかりにくいかもしれません。
ひとまず、「平均律は1オクターブを12等分しているんだなぁ」ということが実感できれば、まずはOKかと思います。
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第1章 譜表と音名
この章のポイント
- 五線・音部記号と譜表の種類を覚えよう
- 音名はドイツ・日本・イタリア音名が重要!
- 変化記号とそのルールを覚えよう
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いくつかのポイントを挙げていきますね。
ハ音記号を覚えよう
ピアノを弾いていれば、ト音記号とヘ音記号はなじみが深いですよね。
ここでは、ハ音記号と譜表の存在を覚えておきましょう。
ソルフェージュでも、応用編になるとハ音記号を読んだり歌ったりします。
- ほかの楽器とアンサンブルする
- 弦楽四重奏やオーケストラのスコアを読む
- 移調して伴奏などする
など、実際の演奏の役にたちますよ。
ソルフェージュが得意なのでハ音記号をとことん鍛えたい!という方にはこちらがおすすめです。
音名はドイツ・日本・イタリア音名から!
まずは、つぎの3つを区別して覚えましょう。
- ドイツ音名…C(ツェー),D(デー),E(エー)
- 日本音名…ハ、二、ホ
- イタリア音名…ド、レ、ミ
小さいころからレッスンなどでドイツ音名に触れてきた人は苦にならないかもしれませんが、あまり知らなかった…という人は意識的に覚える必要があります。
とくに、変化記号(♯や♭)がついたときの音名も、いっしょに覚えてしまいましょう!
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(この場合、先生とも意識共有が必要ですね)
変化記号とルールを覚えよう!
変化記号は以下の5つ。
- ♯(シャープ)
- ♭(フラット)
- ♮(ナチュラル)
- ダブルシャープ
- ダブルフラット
下のふたつはパソコンで変換できませんでしたので、テキストでご確認ください。
ダブルシャープは自分で書くときは「バツ」のような記号。ダブルフラットは♭をふたつ並べます。
これらの記号は覚えればよいのですが、大事なのが「変化記号の効力」の項目です(P28〜29)。
- 譜読みするとき
- 聴音の楽譜を書くとき
に、めちゃくちゃ重要です!
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第2章 音符と休符
この章のポイント
- 音符・休符の種類と長さを確認しよう
- 連符をマスターしよう!
- タイの使い方ルールを覚えよう
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第1章に引き続き、基本的な内容が続きます。
ざっと読み進めるだけで十分ですが、少し気をつけておいたほうがいいことを書きますね。
複付点音符や休符、「ぼう(符尾)」の向きを確認しよう!
複付点音符の音価や休符の種類は、ピアノを弾いている人でもときどき間違えて覚えていることがあります。
複付点音符はつぎの短い音符とあわせると、「7:1」の比率になります(付点音符の場合、3:1)。
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また、音符の「ぼう(符尾)」のルールも覚えておきましょう。
聴音や作曲など、実際に自分で楽譜を書くときに大事です。
連符をマスターしよう!
3連符は曲の中でしょっちゅう出てきますが、5連符や7連符、また複合拍子に出てくる2連符なんかはちょっとなじみが薄いですよね。
- 連符のときの音価はどうなる?
- 実際のリズムを叩いたり弾いたりしてみよう
- 連符の応用リズムも覚えておこう
たとえば全音符を5連符に分けるときは4分音符、9連符に分けるときは8分音符を使います。
ルールがあるので覚えてしまうと楽です。
連符の実践については、以下の記事でくわしく書いていますので、ぜひやってみてください。
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(第4回まであります)
第3章 リズムと拍子
この章のポイント
- リズム・拍・拍子について
- 拍子の種類(単純拍子・複合拍子・混合拍子)
- 拍子やリズムの記譜ルール
- アウフタクトやシンコペーション
- 拍子の変化と速さの関係
さていよいよ、音楽の主要3要素である「メロディ・リズム・ハーモニー」のうちのひとつ、「リズム」のご登場です。
この章では、リズムと拍子の定義、そしてさまざまな要素について学び、はじめて練習問題も登場します。
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ピアノを習っている人もそうでない人も、きっと子どものころから、さまざまなリズムに触れているはずです。
でも、「リズムって何?」と聞かれると、以外とキッパリ説明できない人も多いんじゃないでしょうか?
第3章のはじめの数ページにある、
- リズムとは
- 拍とは
- 拍子とは
について、しっかり読んでおきましょう。
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そのほかのポイントはこちら。
記譜のルールを確認して覚えよう
拍子記号や小節線、いろんなリズムの記譜(楽譜に記すこと)ルールが書かれています。
既存の曲の楽譜はこれらのルールにのっとって書かれているのですが、いざ自分で書こうとすると、意外と難しいものです。
- 拍子に合ったリズムの書き方
- アウフタクトのときの拍数はどうなる?(不完全小節)
- 小節線の種類いろいろ
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拍子が変わる曲
曲の途中で拍子が変わるとき、テンポ(速さ)がどうなるか混乱しちゃいませんか?
(わたしも、譜読み中に出てくると、いったん止まっちゃいます)
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近現代以降の曲ではとくに、コロコロ拍子が変わる曲も多いので、知識として知っておきましょう。
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拍子感のある演奏につなげよう!
ここまでの基礎はサクッと頭に入れて、どんどん実践していきましょう。
わたしのレッスンでも、しょっちゅう「2拍子感をもって」「3拍子感らしく」と言っています。
拍子感は本当に大事です。もちろんリズム感も・・・
いろんな曲を、これまで以上に拍やリズムを意識して演奏していきましょう!
もちろん実際の曲でも学びはたくさんありますよ!
第4章 音程
この章のポイント
- 音程の度数を意識しよう
- 完全・長・短などの種類を知ろう
- 変化記号のついた音程の数え方
- 複音程と展開
- 協和音程と不協和音程
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音程とは、2つの音の間の距離のようなものです。
音と音のへだたりの幅によって、音楽にこもったエネルギーや表情がガラッと異なるので、とても大事な項目です。
そしてこのあたりから、受験対策にもとくに重要な章に入ってきます。
音程についてしっかり理解していないと、次章以降の「音階」や「和音」でつまづいてしまうので、ここでしっかりマスターしておきましょう!
この章は、次のように進めましょう。
- 数え方は確実に暗記する
- ピアノで音を鳴らしながら響きを確認する
- 実際の曲で音程を感じて弾いてみる
- 試験対策としては、数学の計算問題のようなものなので、100点を取れるように!
テキスト上でもわかる内容ですが、音といっしょに実感していくことで、今後の演奏のヒントにしてください。
音程の数え方のポイントとしては次のとおりです。
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それから、この章には協和音程と不協和音程についても書かれています。
説明はアッサリしていますが、実際の演奏にはとても大事なことなので、頭の片隅に入れておいてくださいね。
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後半の第5章〜第8章は次回につづく!
長くなりましたので、いったん前編とさせていただきます。
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さいりえ
後編は
- 第5章 音階(調判定含む)
- 第6章 和音
- 第7章 速さ・強さに関する表示法
- 第8章 曲想・奏法に関する表示法
まだまだ重要な項目がつづきます!どうぞお楽しみに。
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