さいりえ公式サイトはこちら▶▶▶

ピアノの本番で緊張してあせる、速くなる人へ。失敗を防ぐ練習方法は?

metronome

こんにちは、さいりえです。

ふだん生徒さんとはメールでやりとりしているので、夏休みや秋にはコンクールや講習の報告が連日のようにメールで届きます。

  • 思ったように弾けました!
  • 気持ちよく弾けました!

という嬉しいお知らせもあるのですが、中には

  • あせって速くなってしまいました
  • 速くなって浮いてしまいました

力を発揮しきれなかったというのは、もったいなくて残念なことですが、実際、よくありますよね。

わたしもよくやっちゃいました。

  • とにかく走っちゃった
  • 緊張してワーッと弾き飛ばしてしまった
  • ふつうに落ち着いて弾けば良かったのに・・・

と、後悔するような演奏をこれまでに何度も何度もしてしまいました。

でもあまりにも、本番であせる、速くなる、浮いてしまう、という経験を多くしたため、

このままではまずい!

なんとかしなければ!

さいりえ

いつでも落ち着いて弾きたい、ちょうど良い速さで弾きたい。

こんな気持ちが高まり、対策して練習し、本番に向かうようになりました

それからは、多少の緊張はあるものの、ビックリするような速さで弾いてしまったり、あせって何がなん

だかわからないうちに終わってしまった、という体験はほとんどなくなりました

今日は、わたしがこれまでにやってきた対策を書いていきます。

本番で落ち着いて弾きたい!イメージした通りに弾きたい、とお悩みの方はぜひお読みください。

 

※先に「なぜ速くなってしまうのか?」について書いていきます。すぐ練習方法を知りたい!という方は、もくじの「2」にジャンプしてください。

スポンサーリンク



なぜ、あせって速くなるの?

本番でいきなり起こる(と思われる)この現象。

実はいくつかの理由があります。

緊張が、体に影響する。

緊張する〜とよく言いますが、「緊張」=完全に悪いもの、ではありません。

緊張を辞書でひくと

きんちょう【緊張】①気分が張りつめて、ゆるみのないこと。気を張り、からだをかたくすること。 「初めての講演で-する」〜(中略)〜 ④ある行動へ移ろうと準備するとき、またはこれから起ころうとする現象への対処などの際にみられる心的状態。

出典|三省堂大辞林 第三版について | 情報

とあります。

良い緊張感、集中力の高まりは必要です

ただ緊張というのはある種のストレスですので、体にはこんな変化が起こります。

・脈拍が速くなる
・体の筋肉がこわばる、かたくなる
・指先などの体の先端が冷たくなる
・汗をかく
・消化能力が弱くなり、胃が痛くなったりお腹をこわしたりする
・息が浅くなる
・重心が落ちにくくなる、浮いてくる

どれか1つは、「あるある・・・」と思われるのではないでしょうか?

わたしも、このうち複数にあてはまります。

この状態に対して対策しなかったり、気づかないままで舞台に上がったら?

・・・いつもと同じ演奏は、当然できませんよね

そのため、

  • 体の変化に合わせて対策する(深呼吸する、ストレッチする、カイロを用意、など)
  • 多少体がかたくなったり浮いたりしたときにも落ち着いて弾けるような練習を、ふだんからしておくこと

が大切です。この記事では、とくにその練習方法について書いていきます。

心の不安が、あらわれる。

体だけでなく、心の変化も敏感にあらわれます。

不安なときって、逃げたくなりませんか?

お化け屋敷に入ってこわいとき、目をそむけるか、走り抜けたくなってしまいませんか?

演奏にもそういう面があらわれてしまいます。

  • 技術に不安があるとき。
  • 舞台の上で急に緊張してきたとき。
  • 体の変化を感じて、いつも通りに動かなくなったとき。

いま弾いている場所を、ザーーーっと走り抜けたくなってしまうことがあります。

そんなとき、今まで何十時間も何百時間も弾いたことがある場所なら、指は動きます。

音も、体が覚えているので弾けてしまいます。

そうすると、「とりあえず弾いた」「わけのわからないうちに音を出して通り過ぎていた」という演奏ができあがってしまいます

大失敗ではないかもしれませんが、せっかく音楽に思いをもって練習してきたのなら、本番でこんな演奏になってしまうのは避けたいですよね。

ではここからは、

  • どのように練習すれば良いか?
  • また、本番で何を意識すれば良いか?

を書いていきます。

スポンサーリンク



あせり防止!練習のポイント


※「テンポ」・・・音楽を演奏する速度のこと

拍感をしっかり自分の中に入れておく

本番であせる原因の一つとして、拍子感が薄かったり、前のめりになったりしていることが多いです。

3拍子、4拍子、6拍子など、さまざまな拍子の曲がありますが

  • その曲に応じたテンポ感で
  • しっかりと体の中や意識の中で拍を感じて(とくに裏拍、小節さいごの拍をよく感じる)
  • それに合った弾き方を心がけて弾く

ことができれば、本番で前のめりになることはかなり防げます

ガッチリしたソナタはもちろん、速いエチュードや、支えが少なくなりやすい4声のフーガなどではとくに、「この曲は○拍子!」とあらためて意識して練習することが重要です。

やや遅めのテンポで練習する

本番で想定しているテンポだけではなく、さまざまなテンポ設定で練習してみることもおすすめです。

例:4分音符=132で本番への練習を続けているときに

  • ゆっくり、80や100で行き届いた演奏ができる
  • 120〜126くらいの、「少し遅め」でも、ぴったりの表現や指の動きができる
  • 138〜144くらいの、「少し速め」でも余裕を持って弾ける

1と3はわかりやすいと思うのですが、意外と難しいのが2です。

 

レッスンでも、速いテンポで仕上げて弾けているように見えて「ちょっとだけ遅めで弾いてみようか」とやってみると、思うように弾けないことがあります。

指が上すべりしたり、空間を感じられない弾き方になってしまうんです。

一種類の速いテンポのイメージや動きでしか弾くことができないと、だんだんそれに耳も指も慣れてしまい「考えて弾く」「感じて弾く」意識が薄れてしまいやすいんです

 

テンポを少し増減させて、それに合わせた動きや耳の意識を鍛えておくと、本番にも細かい音を聴きやすく、コントロールもしやすくなります。

また、いざ本番でいつもより少し遅め、速めで弾き始めてしまったとき(また、そのような気分になったとき)にも、それにふさわしい弾き方ができるようになります。

細かい音グループの後ろの方をよく聴いて練習

今度は、さらに細かい意識の持ち方です。

たとえば4つの16分音符が並んでいるとき。

たいてい、1つ目や2つ目の音符は意識して発音できていることが多いです。

では、3つ目、4つ目の音符をよく感じて、聴いて発音しているか?というと、意外とできていないこともあるんです。

この「後ろの2つ」を、

・よく聴く
・確実に発音する(どんなタッチかは、曲による)
・説得力のある音、音色で弾く
・その場所にふさわしい表現で弾く

ことを意識すると、表現が美しくなるだけでなく、テンポも安定します

いつもそうやって練習していると、本番にこの部分が走って制御不能・・・になることを防ぐこともできるんです。

chopin10-4
(例:ショパン/エチュード Op.10-4 より)

この曲でも、同じ部分に注目して練習してみてください。

本番でいつも走ってしまう・・・!という方は、弾き飛ばしてしまっていませんか?

速い3連符なら、3つ目や、2,3つ目の音符がこれにあたります。

試してみてくださいね。

出だしの数小節だけ、想定のテンポで弾き始める練習をする

では最後は、より実践的なテンポ設定の練習です。

このくらいの速さで弾こう!と理想が固まったら、その速さで曲の冒頭だけ弾く練習を何回もします。

以前プロコフィエフのソナタをリサイタルで弾いたとき、どうしても終楽章が走りがちになることがありました。

さいりえ

ソナタの終楽章って、その前までの楽章が終わった時の緊張感からぱっと世界観が変わるので、曲に入り込んでいるときほど、思ってもいないテンポで弾き始めてしまうことがあるんですよね・・・

そこで、終楽章の最初の2小節を、何回もシチュエーションを変えて録画したり録音したりして、メトロノームで確認しました。

ふだんそんなに厳密にメトロノームは使わないのですが、カッチリやってみました。

どんなときでも決めたテンポで弾き始められるように体と意識に覚えさせることで、このあとの本番では納得したテンポで始めることができました。

とくにテンポが不安定になりやすい曲ではやってみる価値があります!

スポンサーリンク



本番では、からだの状態にも注目しよう!

ここまで、練習段階で落ち着いて音を聴いて出すことを習慣づけてきました。

本番では、練習で行った拍子感や音の意味が自然に出てくる

これまで書いた一つ一つの練習をしっかりやっていれば、少しずつあせらず弾くことができてくると思います。

わざわざ本番中に「思い出そう」としなくても、体にしみついているくらいが理想ですね。

そして本番では、はじめに書いたように体の状態が変化していることが多いので、それをよく意識して、できる対応をします。

(ふだんから体の状態を意識して練習することはもちろん大切です)

息を深く吐く&下半身を安定させる

この2つはとくに大切です。練習のときも本番前にも、ぜひ意識してください。

私はこの10年くらい、本番前の舞台袖では膝を曲げ中腰になって、手を高く広く上げながら深呼吸をします

私なりに、重心を下げ、呼吸を深くするおまじないのようなものです。

聞くと、人によっていろんなやり方があるようです。

あなたなりのやり方を見つけてみてください。

音をよく聴き、表現する意志をもつ

こわい!不安!逃げたい!に対抗できるのは、

「こう弾きたい」「この音楽を表現したい」という強い意志です。

一つ一つの音や、音楽全体に、「自分の意志」をもって舞台に上がってください。

さいりえ

きっと大丈夫!

まとめ 〜意志をもって弾こう〜

ここまで、本番であせって速くなる悩みへの対策方法を書いてきました。

本番で一度もあせったことがない、という人はいないのではないでしょうか

そのくらい、「よくあること」だと私は思います。

でも、あきらめてしまわず、次の本番は少しでも落ち着いて音楽を奏でたい!という意志を持って、具体的な対策を試していきたいですね。

そして

「いつもより落ち着いて音楽を聴けたな」
「今日は拍子が安定していて、カッコ良く弾けたかなぁ」

と思えたら素敵なことですよね!

いろいろな方法、ぜひ試してみてください。

〜こんな記事もあります〜

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA