こんにちは。崔理英です。
前回の記事で、
「曲が仕上がらない、間に合わないと焦ったら?」というテーマについて書きました。
いつもの本番より、仕上がりが遅くて焦ったら。
数日前にできていないことばかりが気になったら。
なんでこうなっちゃったんだろう・・・なんて後悔や反省は後にして、まずは現実的にできることをやろう、という記事でした。
今日は、本番が終わった後に、何を学べるか?ということを書いていきます。
(※本番の直前には読まなくていい記事です、終わってから、気になることがあったときに読んでくださいね!)
もくじ
イマイチうまくいかなかった・・・そんなときこそ次に生かそう! 失敗の原因と対策をさぐる
「失敗」という言葉を見ると、ドキッとしてしまいます。
誰だって、舞台で大失敗は避けたいですよね。
ここでの「失敗」とは、舞台の上で大失敗、という意味ではなく、
なにか思ったように弾けなかったり、本番までのスケジュールや練習がいまいちうまくいかなかった・・・ということを含んでいます。
転んでもただでは起きない
この言葉はけっこう好きな言葉です (欲深いという意味もあるそうですが ^^;)。
私は、今までの人生で失敗もたくさんしていますし、「うまくいかなかった」「時間がもったいなかった」「嫌だなと思った」ことも、いろいろとあります。
それでなんとなく落ち込んだまま、数週間、数か月と漫然と重い気分で過ごしてしまったこともありました。
でもある日、失敗や特定の出来事に対して、ずっとマイナスの感情でいることが嫌で、なんとか這い上がりたい!!と思うようになりました。
そして、
- 失敗からも何か「良かった」と思えることを見つけること(無理やりにでも)
- マイナスをプラスに転換すること
を意識的に行うようになりました。
失敗しない方が気持ちが楽かもしれないけど、失敗したらそれ以上に自分に生かさないともったいない!
と思います。
失敗のない人生なんてありえないですから、失敗からも多くを学べると良いなと思っています。
そうすれば、失敗ではなく学びになりますよね。
では、本題にまいります!
ここからは、
- 本番直前になっても曲が仕上がらない事態はなぜ起こるのか?
と、失敗のよくある原因を見つめてから、次に繋がるように具体的な対策を考えていきます。
では、4つの原因と対策を見ていきましょう。
原因と対策1:「時間」がなかった、時間をうまくつかえなかった
単純に、時間が足りなかった
時間を確保すればもう少し早く進められていたパターンです。
学校生活や部活で忙しくて、とか、急に数日間仕事が入って、などの理由もあります。
たとえば同じ「1か月」でも、生活の他の時間も影響しますので、
前回は1か月でできたことでも、環境が変わったら1か月ではできない、ということもあります。
スケジュール計画を失敗した
たくさんの曲をバランス良く準備すべきだったのに、一部の曲だけをがんばって、できない曲があった。
- 本選以降の曲をもっとやっておけばよかった・・・
- もっと早くこの曲も始めておけばよかった・・・
- 伴奏の曲とソロの曲のバランスがうまくとれなかった・・・
この経験、私も何度もあります。
【対策!】 長期的に計画を立てよう
曲をたくさん抱えているときに、緊急度と優先順位を見て、並行して練習していきます。
ピアノの効率的な練習計画。現状・行動・時間を「見える化」してスッキリ!原因と対策2:曲が難しすぎたとき
曲が難しすぎた、多すぎた
いくら時間を確保しても、曲が難しすぎて、それに応じた練習が十分にできず、間に合わない場合があります。
なんとか形にできたつもりでも、表現、技術の面で行き届かなかったり。
また、コンクールや大きなコンサートなどで多くの曲を準備する場合に、選曲のバランスを間違えたり、新しい曲が多すぎたりして結果うまくいかないこともあります。
【対策!】 選曲は大切! 相談と、お試し期間を大切に。
選曲って楽しい作業ですが、難しい面がありますよね。
※私自身、「あぁ、選曲ミスしてしまったかな」と反省することもあるので、自戒をこめて書いています。
ここでは生徒さんの演奏曲を選ぶことを中心に書きますが
・得意そうな曲、良さを最大限発揮できる曲
を選ぶこともありますし、
・いま必要なことを学べる曲(やったことのないタイプの曲や、苦手だけどこの機会に学んでほしい曲)
を選ぶこともあります。←どちらかというと、この方が多いです。
それから、コンクールの課題曲や選択曲などで、その曲を選ぶしかないこともあります。
この場合、明らかに実力より難しすぎる場合はやめますが、今回はチャレンジ、という意味で選ぶこともあります。
どちらにしても、先生や周りの方とよく相談することや、決定前にいろんな曲を弾いてみることをオススメします。
コンクールやレッスンの選曲ポイント〜4つのケース別考えかた〜チャレンジも、かならず力になる。
でも、いつでも余裕を持って本番に臨めるとも限らず、たまには難しい曲にチャレンジして大変な思いをしたとしても、
学べたことが多ければそれも良いかと思います。
そう思えば、難しい曲にチャレンジできた、ということは一つ自分を認めてあげて、
また次は別の観点から曲を選んでみてはいかがでしょうか。
原因と対策3:練習の方法が良くなかった
曲や理想の演奏に応じた練習方法ができていなかった
練習の方法が良くなかったので間に合わなかった、ということも、ありえますね。
実は、本当の選曲ミスというわけではなくて、こちらの原因の方が大きかった、ということはよくあります。
曲の難易度(技術面だけでなく、広い意味で)が上がったら、練習の内容ももっと変わっていかないといけないのです。
また、新しい作曲家の曲や、初めて弾く時代背景の曲などでしたら、これまでと違う勉強や練習が必要です。
経験を積みながらやっていくことなので、なんでも始めは難しいですよね。
【対策!】 練習方法を見直してみよう。
曲への思い、こんなふうに弾きたいというイメージ、音を聴くこと、丁寧に音を出すこと・・・
せっかく同じ時間練習するなら、内容の濃い、音楽や音を丁寧に聴く練習をできると良いですよね。
譜読みは効率的に。
深く&効率よくピアノの楽譜を読むために心がけている9つのことできない!がんばる!! ではなく、原因と対処法を見つけよう
ピアノの練習でうまく弾けない原因は?改善のステップ※重要 「どう弾きたい」「どんな音が出したい」という気持ちはありますか?
練習やレッスンの効率がアップする3つの問いかけ〜わかっていても弾けないときに〜では、次の原因と対策にいきましょう。
原因と対策4:体力・心など「自分の状態」が万全でなかった
自分の内側に原因があった場合
目標が明確で意欲にあふれていれば、気力、体力とも充実してくるのですが
人間、いつでもフル回転で100%ともいきませんので、どうしてもしんどいときや気がのらない期間もあるのではないでしょうか。
次のような状態では、なかなか良い演奏はできないかと思います。
- 本番への意欲が薄かった
- 病気になったり怪我をしたりしてしまった
- 精神的なストレスや自信喪失
学校でお友達とうまくいかなかったり、自分の演奏について先生や他の誰かにすごく否定されるようなことを言われたりしたら、
充実した練習もしづらいかもしれません。
また、実際に体をこわしたり手が痛くなったり、というと練習を中断せざるをえません。
【対策!】 まずは自分自身を大切に
風邪やインフルエンザで寝込んでしまった、という突発的なことなら次は体調管理に気をつければ良いですね。
手を痛めてしまった、という場合は体のケアや、奏法を見直すことも大切です。
なんとなく弾けない、意欲的な練習ができない時期
なんとなく音楽に対して気持ちがのらない・・・自信が持てない・・・という場合は、すぐに改善する特効薬のようなものは見つからないかもしれません。
わたしも数か月〜1年くらい、なんとなくピアノが弾けなくてずっとやる気が出ない時期がありました。
漫然と練習を繰り返したり、弾くのを休んだりしたこともありました。
近年は、ちょっと伸び悩んでるなぁ・・・という生徒さんを、コンサートに誘ったり、お茶を飲んでお話したりもしますが、
なかなかパッと理想通りにすべてが良くなる、というわけにはいかないこともあります。
どんな形にせよ、そこから抜け出て、再び意欲をもってピアノに向かうには
音楽に対する愛情や熱意が新たに生まれること
は不可欠です。
長い人生、山も谷も味わって音楽に生きると思います。
しんどいときに読む本です。薄いので気軽に読めますが学びが多いです。
その他
その他、いろいろな事情があるかもしれません。
※ただサボっていて間に合わない・・・ということもあるかと思います。
その場合はもう少し事前に察知できますし、私の身近にはサボる方はおられないのでここでは書きません。
(変な書き方かもしれませんが、練習時間をとれない、うまくいかないことには原因がありますし、
「大事な本番を前にしてただ単にサボる」という場面に出くわしたことが無いので・・・)
まとめ〜なにか変われそうですか?〜
もしかしたら、思ったとおりの演奏はできなかったかもしれません。
でも、間に合わない〜全然ダメだぁ〜と嘆いていた日から何か一つでも成長できていれば、良いのではないでしょうか?
学生のうちは、お金をいただいて弾くわけではなく(プロ活動をしている学生さんも中にはいますが)、一生懸命やっての失敗もあって良いと思います。
今回の経験から何を生かすか?
そのことの方が、ずっと重要です。
全ては、積み重ね。
毎日コツコツ練習して、大勢の人の前に出て演奏する、って本当にすごいことですよね。
一つ一つのことが、あなたの中に積み重なって生きていきますように。
この記事の前編はこちらです。
曲が仕上がらない!間に合わない!と焦ったら?〜本番・コンクールの直前に〜