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伴奏の心得・上級編〜ピアニストとしてなにができる?〜

伴奏のコツ上級編

合唱コンクールの伴奏について書き始めたシリーズ、3回シリーズの最終回です。

合唱の伴奏中級編のポイントはこちら(←クリックで記事に飛びます)

  • 指揮者と打ち合わせしよう
  • 楽譜を分析してみよう
  • 伴奏だからっていつも弱く弾くわけじゃない。出るところは出よう
  • 合唱とピアノが一体となったテンポで
  • 合唱の呼吸・ことばと合わせよう

さて、いよいよこの記事では上級編について書いていきます。

合唱曲って、ピアノがめちゃくちゃ難しい曲もあります。
でも、素敵な曲も多くて、やりがいがありますよね!

 

上級では、ピアニストとしてなにができるか?を考えていきましょう。

ポイントは、この4つです。

(合唱コンクールに限定せず、伴奏のポイントというタイトルにしました)

  •  音楽全体に良い影響を与える伴奏をしよう
  •  ことば=音楽になるように
  •  音色にこだわろう
  •  安心感を与える存在になろう
合唱だけでなく、歌や楽器の伴奏にも生かせることなので、ぜひゆっくりお読みください。

音楽全体に良い影響を与える伴奏をしよう

伴奏のコツ

伴奏する曲がもつキャラクター、世界観、メッセージ。

それらを、しっかり掘り下げて共感して演奏してください。

  • うまく伴奏できるかな
  • 歌とズレないかな

というような表面の難しさにとらわれず、音楽そのものに共感して演奏したいです。

ピアノ1台で、世界の広がりを感じさせることもできますし、深く暗い場所まで入っていくこともできます。

あなたのピアノで、歌う人たちが音楽にもっと深く入っていけるように導くつもりで演奏しましょう!

そのためには、ピアノソロを弾くときと同じくらい、ときにはそれ以上に、曲と深く向き合って練習を重ねます。

◎曲へのイメージを深くもつには→曲へのイメージを浮かべるために必要な5つのこと

◎音楽を本気で楽しむ!→いつもと同じ演奏はつまらない?本番ならではの楽しみを見つけたい!

ことば=音楽になるように、伴奏もチャレンジ!

合唱の伴奏は言葉を大切に

ピアノには歌詞がありません

でも、あなたが伴奏しているその曲には、素敵な歌詞がついていますよね。

その「ことば」を、ピアノでも表現してみてください

  • 「優しい」なら、やさしい音色と表情で。
  • 「こわい」なら、くっきりと厳しい音やリズムで。
  • 「広がっていく」と歌うなら、豊かに広がるような響き、呼吸で。
あらゆることばを、ピアノで最大限、表現することをめざしてください。

ことばが伝わってくる音楽は、ひとの心を動かします

◎わたしが感動した合唱のはなし→合唱の思い出と「感動」の体験

音色にこだわろう

伴奏も音色にこだわろう

伴奏に慣れていないうちは、音色より音量が気になると思います。

大きすぎないかな、小さすぎないかな。と。

でもほんとうは、音色のほうがずっとだいじです。

  • 音色によって、歌よりうるさく聞こえることもあれば、歌といっしょに豊かに響くこともある。
  • 音色によって、弱々しくて聞こえないこともあれば、シーンとした中にピンと響くこともある。
そして、どんな音色で弾くかによって、曲全体のイメージがガラッと変わります

とくに大きなホールで演奏するときは、音色のちがいが大きく影響しますので、ふだんから美しい音色、響きで演奏することを目標のひとつにしてください。

そして、小さく縮こまらずに、堂々と音を出したらいいと思います。

◎響きを感じることがだいじ、という話→ふだんから音色や響きに敏感に〜2017年初夏の弾きあい会

安心感を与える存在になろう

伴奏者は安心感を与える

上級の伴奏者になったら、自分がうまく弾くことだけでなく、歌う人に良い影響を与えられるようになりましょう。

歌の個性を知る

合唱メンバーにも個性があります。あなたが伴奏するのは、どんな人たちですか?

・仲良くハーモニーを奏でる。
・やる気にあふれて、演奏もエネルギッシュ!
・じっくりと音楽に向き合って、研究熱心なメンバー

個性をちゃんと知って、いっしょに音楽づくりができれば、もっと音楽が深まるはず。

練習中にも、頼りになる存在に

練習中にも、音をとったり、ちょっとした意見交換ができたり。

頼りになる存在になりましょう。

お互いへの信頼が、演奏するときの信頼感にもつながると、演奏がしっくりまとまってきます

そのためには、演奏の質や安定感はもちろん、曲への理解や、メンバーとの適切な距離感もだいじになってきますね。

本番前にも、落ち着いた安心感を

指揮者や伴奏者が緊張していたら、歌う人はたいへんです。

本番直前のいちばんデリケートなタイミングでも、どっしりと落ち着いて、歌う人に安心感を与えてあげてください

そういえば、わたしがよく共演する同期の友人は、舞台に上がって演奏する直前の笑顔がとっても素敵なんです。

彼女のおだやかな笑顔を見ると、こちらの緊張も雑念も、ふっと和らぎます

わたしもそんな存在になりたい!といつも思います。

まとめ〜相手に与えられる演奏で、音楽の幅を広げよう〜

ここまで、初級・中級・上級編に分けて、伴奏のポイントをお伝えしました。

上級のポイントは、この4つ!

  •  音楽全体に良い影響を与える伴奏をしよう
  •  ことば=音楽になるように
  •  音色にこだわろう
  •  安心感を与える存在になろう
初級・中級のとき以上に、「相手に与えられる演奏」をめざしてください。

音楽的にも、精神的にも。

相手に良い影響、音楽、信頼感を与えられるくらいの伴奏者(ピアニスト)になれたら、もっと音楽をじっくりと奏でられそうじゃないですか?

だれかと演奏することって、難しいこともありますが、とても楽しく、喜びがありますよね。

音楽の幅が広がりますし、人生経験としてもとても貴重です。

伴奏者として音楽に参加する時間が、すてきな時間になりますように。

〜初級・中級編はこちらから↓〜

合唱コンクール伴奏のポイント初級編〜初めてでもきっとできる!〜

合唱コンクール伴奏のポイント中級編〜歌といっしょに音楽づくり〜

〜楽器の伴奏をするなら読んでおきたい記事〜

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\ピアノをもっと深く学びたい方はチェック/
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