調性感・和声感のある演奏に必要なこと

調性感と和声感のある演奏

「調性感がもっとあるといいねと言われました。

いったいどういうことでしょうか?」

あるとき、こんなご質問をいただきました。

調性感と和声感はクラシック音楽になくてはならないもので、わたしのレッスンでもけっこうな時間をかけてこれらのことをやっていきます

でも、これってとても漠然としていて、ピンと来ない人も多いかもしれません。

この記事では、調性感のある演奏に必要なことをひとつずつ書いていきます。

  • 調性感ってどういうこと?
  • どうすれば、調性感のある演奏になるの?
  • 和声のちがいってどうやって表現するの?

こんなことを疑問に思っている方は、この記事を読むと少し道筋が見えてくるかもしれません。

とても奥が深く、すべてを語ることはできませんが、ゆっくり想像しながら読んでいただけるとうれしいです。

ゆっくり、じっくり感じ取れること

調性感とは、形にならないものです。

それは、「小さくても特別な、なにか」を感じ、味わい、作り出すことができる力だとわたしは思います。

道ばたの小さなお花に気づきますか?

お料理のかくし味で使われている食材の香りに気づきますか?

ふっと新しい場所に行ったときに、なにかちがう空気感を感じますか?

素通りする演奏と、ひとつひとつ味わい、感じとれる演奏。

そこには、大きな差が生まれます。

調性感に必要なものは、良い音と響き

大前提として、響きの美しい音で弾くことです。

そのためには、

体をしなやかに、よどみなくエネルギーが流れるように自然に使うこと

自分の音をよく聴くこと

丁寧なタッチで打鍵すること

など、さまざまな要素が必要です。

たくさんの曲を聴くこと

調性感のある演奏をめざすには、いろいろな曲を聴く、知ることが必須です。

さまざまな調の響きを実感し、イメージをふくらませる

耳と心のアンテナをピンとはって、たくさんの曲を聴いてみてください。

調性感や和声感は形にならないものなので、聴いていても「これだ!」と気づきにくいかもしれません。

でも、

  • ふっと空気が変わった
  • 同じモチーフなのに、さっきとなんだか違う
  • ぐっと胸の奥に感じる「なにか」がある

など、あなたが「なにか」美しいものやドキッとするものを感じているとき、そこに発見があると思います。

純粋にお客さんとして聴くのであれば「転調のポイントはココだな!」とか、「この和音のバランス、工夫しているなぁ」などと考えなくて良いと思いますが、

もしあなたが「もっと調性感のある演奏や変化のある演奏、繊細な演奏をめざしたい」と思うのであれば、ぜひたくさんの発見ができるように、いろんな演奏を聴いてください。

その作曲家にとっての調性や和声の意味を知る

時代や作曲家によって、調性や和声の意味や特徴も異なります。

  • バッハのヘ短調にはどんな意味がある?
  • ベートーヴェンのハ短調の曲はどんな曲?
  • シューベルトの転調の特徴は?
  • フォーレの美しい和声の秘密はどこにあるんだろう?

耳で聴き、心で感じ、知識を得て、あなたの答えを見つけてみてください。

調性・和声に関する知識

知識も大切です。

音楽理論でもしっかり学びましょう。

どんな調性がある?聴いてわかる?説明できる?

  • 各調の調号、固有音がわかる
  • 各調の音階(スケール)が弾ける
  • 各調の基本的な終止形(カデンツ)が弾ける
  • 近親調について理解している
  • 調の判定ができる
  • 転調がわかる
  • 移調して弾ける・楽譜に書ける

たくさんあるなぁ、と思われるかもしれませんが、どれも調性感のある演奏をするために必要なことです。

和音の機能はどうなっている?

クラシック音楽は、機能和声と言われる和声のつながり、役割があります。

ひとまずは、T(トニック)・D(ドミナント)・S(サブドミナント)を理解し、実感できるとずいぶん前進します。

たとえばV7(属七)→I(I度)は、最も強固な結びつき、方向性をもっていて、それぞれの構成音は少しずつ異なる方向性を持ち、次の和音に導かれます。

※「和声感」には、このような方向性のことも含まれます。

その和声の動きを意識して、それぞれの音が役割を果たすように考えて弾けるようになると、変化が出てきます。

和声の動きや響きを身につけるための練習

和声がさっぱりわからない、鍵盤でもパッとつかめない、という場合、和声感のある演奏をすることが難しいです。

その場合、シンプルなカデンツ(終止形)を移調して練習するのが勉強になります。

カデンツは自作でもいいですし、「和声の練習帖」のようにいろいろな和声の形が載っていて、初級から上級までいろんな人が使える本もあります。

もしくは終止形に特化した本でなくても、ツェルニーなどを移調してみるのもいいですね。

(ツェルニーは指の練習曲と思われがちですが、シンプルな和声進行や転調で和声をつかみやすく、分析や移調の練習にも使いやすいです)

テクニックについて

こちらは、以前LINE@で配信した内容を抜粋しています。

指の独立について

転調や和声を繊細に表現するとなると、指の独立が大切になってきます。

たとえば、和音の中のどれか一音だけを「強く」「すばやく」「深く」「おそく」「指を立てて」など、タッチを変えて弾く練習をしてみてください。

4音同時ですとかなり難しいので、はじめは2音からでも良いと思います。

調和を聴くこと

それから、お互いに「調和して響き合っているかどうか」を聴く習慣もつけられると良いですね。

いちばん耳の練習になるのが、オクターブです!

オクターブを片手で弾いて、「きれいにお互いに調和しているなぁ~」と感じられますか?

1の指をポーンと弾いて→その音に調和するように5の指をポーンと入れる、なども良い練習になります。

ほかの音程や、3つの音、4つの音にしても試してみてください。

まとめ〜一つひとつの音をたいせつに感じよう〜

道ばたに咲いた、小さな花。

曲がり角をまがると吹いてきた、さっきとは違う風。

歩いていると、だんだんと陽がさす角度が変わってくる。

そして、あなたの気分もどんどん変わっていく。

この道、どれだけのことを「感じ」ながら歩いているでしょうか?

演奏では、楽譜の中にたくさんのものが隠されています。

ほんの小さな変化も、あなたに見つけて外に出してもらうのを待っているかもしれません。

まずはできることからチャレンジしてみませんか?

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