ミスもせず、きれいに弾いているつもりなのに・・・「もっと楽譜を深く読みましょう」と言われたことはありませんか?
楽譜を深く読むってどういうこと?
「スコトーマ(盲点)」という観点から考えたことがあったのでご紹介します。
docomoショップから「スコトーマ」に気づいた話
ある日、仕事を終え出先で携帯をチェックすると、docomoからメールが来ていました。
内容は「来年のカレンダーを差し上げますので、最寄りのdocomoショップにお越しください」というもの。
◯◯店か◯◯店か…遠いなぁ。
夕方からもレッスンがあるから今日は無理だなぁ。
などと思いながら駅まで歩いていると…
頭の中で電球がピカッとついたような一瞬。
さいりえ
なんと、docomoショップがすぐそこにありました。いつもの通勤路の、通り沿いにあったのです。
さいりえ
いいえ違います。だいぶ前から、確かありました。
私が気づいていなかっただけなのです。
ふだん何気なく歩いていて見落としていたけど、docomoショップを探し始めたとたん、そこに現れたように感じたんですね。
こういったこと、あなたも経験ないですか?
以前、友人に教えてもらったのですが「スコトーマ(盲点もしくは心理的盲点)」というそうです。
ふだん何気なく通り過ぎてることって、たくさんあるんでしょうね…
楽譜の中の「スコトーマ」
ふと、楽譜もそうだなと思いました。
楽譜の中には作曲家からのたくさんのメッセージ、情報があります。
それこそ、音楽を奏でていくための「地図」のようなものです。
- 音の高さ
- 音符の長さ
- 休符
- 強弱や数々の記号
- 速度表示
- 表情の指示…
たった1ページでもたくさんのことが!
演奏家は、この膨大な情報をしっかりと理解、整理し、さらには自分のものにしていかねばなりません。
これってよく考えると大変なことですよね。
いつの間にか「自分に見やすい情報」「当面必要な情報」だけが頭の中にインプットされていって、他の多くの情報は見ているつもりで見落としてしまっているのかもしれません。
普段から歩きながらもdocomoショップを見落としていた私のように・・・
その原因はいくつかあります。
- 曲の難易度が高い(情報量が多いと全てを認識するのは難しいですよね)
- 技術が上がってきた(全部を見なくてもある程度弾けるからです。読書の斜め読みのようなものですね。良い面もあり、必ずしも悪いだけではないのですが)
- 時間が無い(ざっと見てしまうんですね)
- 単純に、ぼーっと楽譜を見て弾いてしまう癖がある(注意深くなれると良いですね!)
- なんとなく覚えてきたので、楽譜を見ないで弾いている(意識して弾く暗譜と、なんとなく弾く暗譜は違うのです・・・)
視点を変えて新たな発見をしよう!
コンクールの講評などでも、よく「楽譜をただ弾くだけではなく、深く読みましょう。自分の音を聴きましょう」などと言われます。
ミスも無く、強弱も守ってしっかり弾いたのにどうして?と思われる方も、もしかしたらおられるかもしれません。
そんな時は、あえていつもと違う目線、違う読み方を試してみるのも一つの方法です。
「今日はこの曲のポイントである、『6度音程』に注目してみよう」
「内声のラインを見つけてみよう」
「今はいつもより『スラー』に注目してみよう」
「この2小節の全ての音や記号をよく読んでみよう」
どれかに注目してもう一度楽譜を見てみると、新たな発見があるかもしれません。
発見があれば、意味を考えます。
意味がわかれば、表現も変わってきます。
今まで強いと思っていた音が弱かったり、重い→軽いと思っていた関係が実は逆だったり。体の動きや呼吸の仕方まで変わってきます。
一つのことに気づくだけでも、たくさんのことを読み取れるんですね。
まとめ
この記事では、楽譜の中の盲点=スコトーマについてお話しました。
私も、時間に追われていたりするとついつい楽譜を雑に読んでしまっていたり、本番直前になって「あれっ!こんなことが!」と思うこともあり(反省)、意識したいなとよく思っています。
今日はスコトーマと楽譜について、思ったことを書いてみました。
新たな視点で楽譜を見てみてください。
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