こんにちは!さいりえです。
この記事では、ピアノの初見が苦手な人への対策方法をご紹介します。
初見が苦手といっても、いろんなタイプがありますね。
- ソルフェージュや入試問題のような曲をぱっと弾くことが苦手
- 伴奏譜をぱっと弾くことが苦手
- 既存の曲をぱっと弾くことが苦手
- 譜読みが遅い
タイプ別の対策やポイントもありますが、この記事ではもっと大まかに、
初見力アップのために長期的な視点でできること、やっておくといいこと
を書いていきます。
ポイントは次の4つ。
- 頭の中で音(音楽)を鳴らす習慣をつける
- 要約弾きをする
- いろんな音楽・楽譜に慣れる
- 短い曲をどんどん弾く
頭の中で音(音楽)を鳴らす習慣をつける
もも
さいりえ
「初見力は、音符を速く正確に読む力」と思われるかもしれませんが、ちょっと違います。
もう少し掘り下げると、
- 音楽を描く力
- 描いた音楽を音にする力
という感じです。
そこでまずは、音楽を描く力を養っていきます。
そのためには?
楽譜や音符を見て、頭の中で音(音楽)を鳴らします。
たとえば初めての楽譜を見たときに、すぐに弾かずに頭の中で歌ったり指を動かしたり(指を動かすイメージでもOK)します。
苦手な人はシンプルなメロディでもいいですし、だんだん複雑なものにもチャレンジしていきます。
- 一つずつの音→まとまったフレーズ
- リズム
- 和声
- 流れ
- 音色や雰囲気
いつも譜読みするときに
「とりあえず弾いてみて、変な音が出たら止まって弾き直して…」
という習慣の人は、ためしてみてください。
要約弾きをする
もも
さいりえ
初見で曲を弾くときは、取捨選択も大事です。
すべての音、要素を一度に見て完璧に演奏できれば理想的かもしれませんが、現実むりでしょ!というシチュエーションもあります。
楽譜を見る時間が短いこともありますし、めちゃくちゃ難しい曲のこともありますし、
さらにスコアリーディングなどでは、すべての音を弾くなんて絶対にできません。
そんなときに、
その曲の骨子、だいじな部分を瞬時に見つけ、そこにウエイトをおいて演奏することが必要になります。
そこで、要約弾きする習慣、力が重要になります。
要約弾きとは?
- 曲のメインになるラインだけを取り出したり
- 細かい音の動きを、和音進行だけにして弾いたり
- モチーフのやりとりだけを取り出したり
(とくにそんな用語が世の中に存在しているわけではないみたいで、わたしが勝手に言っています)
要約弾きができると、役に立つ。
・和声進行だけにして弾いたり
・モチーフだけを取り出して弾いたり
・全部の音は弾けなくても、重要そうなライン・音を弾いていったり初見力もアップするし、音楽的な判断・応用ができます。
苦手な場合は、ふだん弾いている曲からやってみると良いかも。
— 崔理英 / Rie Sai (@smomopiano) 2019年3月10日
レッスンで、暗譜するくらい達者に弾けているのに、
「あれ?この部分の和声進行わかってるかな?」と思って
「ちょっとここだけ和音にして、弾いてみようか」
と言うと、途端に弾けなくなってしまう…ということも実はけっこうあります。
本当に大事なラインを理解して弾いていれば、それだけを取り出して弾くことはそんなに難しくないと思いますが、慣れは必要かなと思います。
まずは、弾き慣れた曲を要約して弾くことにチャレンジしてみてください。
ピアノの楽譜は情報量が多いですが、その情報にメリハリ・濃淡をつけることは大事です。
初見力だけでなく、どう演奏すべきか?を考えることにもとても役立ちますよ。
いろんな音楽、楽譜に慣れる
もも
さいりえ
いろんな楽譜や要素を見慣れているかどうかは重要です。
変わったリズムや加線の音符、音が詰まった和音…
一つずつ考えたり、数えたりしていると時間がかかります。
- 知っているかどうか
- 見たことがあるかどうか
- 慣れているかどうか
漢字が得意でなんでも読める人と、漢字が苦手でひとつずつ辞書で調べたりしないといけない人が同じ文章を読んだらどうなるか…と一緒ですね。
難しい曲をやる必要はないので、いろんな要素に触れていく機会を増やしていくと良いですね。
レッスンでも、バルトークのミクロコスモスなどを使ったりします。
また、2拍3連などの特殊なリズムや加線の音符などは、考えなくても頭と体が反応するくらいインプットしておくほうがいいですよ。
一生役に立ちます!!


短い曲をどんどん弾く
もも
習うより慣れろ!
ですね。
いろんな曲、楽譜をどんどん弾いていきましょう。
そのときのポイントは
- いきなり弾かずに、全体をざっと見てイメージしてから、弾き始める
- できるだけ手(鍵盤)を見ないで弾く
- いま弾いている箇所より、少し先を目で見ながら弾く
曲はお家にある楽譜でOKです。
「1曲だけ弾いたけど、他の曲知らないなぁ」という楽譜はありませんか?取り出して、どんどん弾いてみましょう。
最近、レッスンで初見の試験対策をするときに使った楽譜をご紹介します。
これは一例ですので、どんな曲集でも応用できます。
プロコフィエフ つかの間の幻影
近代的な和声、臨時記号やさまざまなリズムの体験にちょうど良いです。
音高入試対策くらいでしょうか。
モンポウ ピアノ作品集
大学入試対策くらいにちょうど良かったです。
高額なので、初見の練習だけのために買うならおすすめしません!
モンポウの「歌と踊り」「沈黙の音楽」などを弾いてみたい、興味がある、という人におすすめです。
バッハ 小プレリュードとフーガ
カッチリと楽譜が読めない、古典的なスタイルの楽譜を見ると緊張してしまう・・・という人にはこういう曲を初見で弾いていくのも良いです。ツェルニーやソナチネアルバムなども良いですよ。
譜読み力アップにも役立ちます。
(譜読み力と初見力は、きょうだいみたいな感じでしょうか?共通する要素がたくさんありますね)

まとめ
この記事では、初見力アップのために長期的にやっていくと役立つことをご紹介しました。
初見といえば、入試やソルフェージュなどで課題として出されることもある分野。
演奏力向上や、あらゆるシチュエーションで弾けるように力をつけていきましょう!