【体験談】ピアニストとバネ指、腱鞘炎。練習のせい?発症から症状緩和まで

ばね指って聞かれたことありますか?

ピアノを日々の仕事にしているわたしですが、1年ほど前から手の不調に悩まされ、「ばね指」と診断されました

数ヶ月間の手の不調…ショックな出来事でしたが、できるだけ無理せず、あるがままに過ごした結果、特別な処置をしなくても調子が良くなってきました

病気や不調は人それぞれですので、わたしの例がほかの人にぴったり当てはまることはないかもしれませんが、ひとつの事例としてこのブログにシェアしておきたいと思います。

さいりえ
ばね指について知りたい方や指の調子が悪い方、何かの参考になればと思います。

※この記事は一般人の体験談です。専門的なことが知りたい方、実際に手の不調に苦しまれている方はお医者さんに行かれてくださいね。

ばね指って何?

ばね指は、腱鞘炎の一種です。

関節を動かす「腱(けん)」を複数まとめている「腱鞘(けんしょう)…ベルトのようなもの」が炎症を起こしているため、腱がスムーズに動かない=指の曲げ伸ばしがうまくいかない という状態です。

ピアニストの腱鞘炎というと手首付近を想像されるかもしれません(わたしもそういうイメージでした)が、指の関節にも腱鞘が存在し、腱鞘炎もあるんですね。

症状と、発生したときのわたしの状況

ピアニストのばね指。指が曲げ伸ばしできない

(写真…2019年2月。指が動かせない!)

まず、わたしの症状や当時の状況をかんたんにまとめます。

症状

  • 左手の中指と薬指の曲げ伸ばしがスムーズにいかない
  • 指の関節を曲げようとしても、突っ張って曲がらない(とくに朝)
  • 伸ばそうとしても、引きつって十分に伸ばせない(とくに朝)
  • 自分の意図しないタイミングで指が「ピーン!」と引きつって伸び、痛む
  • ひどくなると、関節まわりにギュッと痛みを感じる
  • ピアノは一応弾けるけど、たくさん練習すると翌日朝の症状が酷くなる

そのときの状況

当時はこんな状態でした。

  • 産後1年経過
  • 慢性的な睡眠不足(2〜3時間ずつ細切れで、合計5〜6時間寝られれば良い方)
  • 子どもの体重が10キロを超え、毎日抱っこや持ち上げる日々
  • 慢性的な肩こり、ときどき腕の痛み
  • レッスンや伴奏の練習、短いソロの練習などで、ピアノはほぼ毎日弾いてる
  • とはいえ、練習時間は出産前よりはずっと少ない
  • 年齢…アラフォー真っ只中

お医者さんによるとホルモンの関係もあるそうで、

  • 出産後
  • 中年女性
  • 手・指を使う仕事をしている

という3つの要素が、とくにばね指を発症しやすいそうです。

さいりえ
条件は満点ですね…!

では、違和感を覚えた1年前から、ほとんど良くなった最近までの経緯を書いていきますね。

ものすごく簡単に書くと、こんな感じでした。

軽い違和感→指が動かない!→病院に行く→とりあえず薬を塗って安静に→おそるおそる少しずつ弾く→幸い悪化せず、だんだん良くなる

ではどうぞ!

違和感のはじまり(2018年10月)

昨年の秋でした。

さいりえ
ちょうど1年前ですね!

左手の中指の関節がうまく曲げ伸ばしできないことが、時々。

具体的には、こんな感じ。

  • 曲げようとしても突っ張って曲がらなかったり、
  • 穏やかに曲げようとしているのに、引っかかった感覚の後に「ピキッ!」と自分の意思に反したタイミングで曲がったり。
  • 指を伸ばそうとすると抵抗があり、「ビーン」と突然つっぱったり(少しの痛み)
さいりえ
おかしいなぁ…と思っていました

もともと「ばね指」という言葉をどこかで聞いたことがあったので、「よくわからないけど、ばね指っぽい…?」と思うこともありました。

でもピアノを弾く動作にはとくに影響なく、違和感もたまに気になる程度だったので、あまり深刻にはとらえず。

そのまま、数回のコンサート(アンサンブルと、ソロを数曲)を終えて2018年を終わりました。

年が明けたときには、

さいりえ
今年はリサイタルやるぞー!

と決意して、40分+40分の新しいプログラムも考え、取り組みはじめていました。

とつぜん、指が伸ばせなくなる(2019年2月)

年が明けてからの1ヶ月ほどは、2018年の1年間よりは日々の練習時間が増えました。

2月のデュオコンサートが近づき、4月以降の課題曲コンサートやソロコンサートもそろそろ…という時期。

スケジュール的に毎日長時間は練習できないので、1年かけてリサイタルのレパートリーを深めていこう!とけっこう意気込んでいました。

 

とはいえ、出産前に比べたら半分以下の練習時間です。

日々がバタバタと過ぎていき、ピアノの前に落ち着いて座れない日もありました。

子どもは10キロを超え、肩や背中、腕が痛い日もあり、夜中もまだまだ2〜3時間おきに起きる毎日

仕事しながら毎日健康で無事に過ごすことに精いっぱいだったので、その上「めちゃくちゃ無理してピアノを弾いてる」というつもりはありませんでしたし、そこまで練習もできていなかったと思います。

 

ところが2月のある日、朝起きてみると

あれ…指がうごかない…

正確には、左手の中指と薬指の、第2関節より先の指がつっぱったまま、曲げ伸ばしがうまくできないのです。

(これはやばいかも…)

2〜3日様子を見ると、こんな感じでした。

  • 午後になると動きやすくなる
  • 朝になるとまた固まってる
  • ピアノを弾くことは、いちおうできる(第2関節より手前は動かせるため、ある程度音は出る)
  • 何時間も練習したりレッスンで弾いたりすると、次の日さらに動きにくくなる

コンサートも半月後だったため、あわてて病院に。

病院に行ったら、やはり「ばね指」(腱鞘炎)と診断された(2019年2月)

医療関係の家族から紹介してもらった整形外科の先生の診察を受けました。

レントゲンと触診、問診。エコーも撮ってもらいました。

うすうす予感していた通り、やはり「ばね指」と診断されました。

ひとことで言うと、

関節を動かす「腱(けん)」を複数まとめている「腱鞘(けんしょう)…ベルトのようなもの」が炎症を起こしているため、腱がスムーズに動かない=指の曲げ伸ばしがうまくいかない

という状態だそうです。

先生に指摘されて気づいたのですが、指の付け根がとても腫れ上がっていました

考えられる治療法は以下の通り。

  • 塗り薬や飲み薬で炎症をおさえる
  • それでも良くならない場合→注射(めちゃくちゃ痛いらしい)
  • それでもダメな場合→手術

授乳をしていたので、ひとまず飲み薬はやめておき、塗り薬を処方してもらいました。

ヒルドイドという塗り薬。炎症をおさめるそうな。

ばね指に処方された、ヒルドイドという塗り薬

リウマチなどの検査で血液検査も受けました(異常なし)。

ご迷惑をかけてしまいましたが、予定のコンサートは出演キャンセル。
しばらく安静にすることにしました。

その後の経過…まずは休ませることに(2019年2〜3月)

それからしばらくは、とにかく安静にしました。

とにかく安静にして、ピアノも(左手は)弾かない

こんな感じで過ごしました。

  • こまめに薬を塗る
  • ピアノは弾かない
  • 日常生活でも、できるだけ指を使わない
  • テーピング
  • お風呂に入ったりしたときに、ゆ〜〜っくり無理のない範囲で曲げ伸ばしする

自分の練習は、完全に休むことにしました。
レッスンでも、左手のパッセージを右手で弾いたりして、ほとんど左手を使わないようにしました(使おうとしても動かないし)。

さいりえ
ちょうど受験期間だったので、生徒さんには心配と迷惑をかけてしまいました…

日常生活で指をどれだけ使っているのかを再認識!

そして日常生活でも、左手の中指と薬指をできるだけ使わないように意識。

でも、難しいものですね!

  • シャンプーしたり
  • 靴下をはいたり、子どもにはかせたり
  • 食べるときに食器や容器を持ったり
  • ペットボトルのフタを開けるためにぐっとボトルを持ったり
  • 自転車のブレーキを握ったり

…など、日常生活で指を使うことってこんなに多いんだ…!と改めて感じました。

幸い、利き手の右手は痛くなかったので良かったのですが、いろいろ右手にやらせてしまうので右まで痛めないか少し心配ではありましたね。

子どもの抱っこも、いつもより減らしました。

症状はあまり変わらず

あいかわらず、症状はこんな感じでした。

  • 朝、少し指が固まる
  • 伸ばそうとすると指に負荷がかかる

とりあえずお医者さんとも相談し、2ヶ月くらいは薬と日常生活で様子を見ることに。

お医者さんも、「ピアニストの手に注射やメスを入れるのは最終手段にしたいなぁ」と仰っていました(でもこの先生、ご自分でばね指を発症し、手に注射されることがあったそうです!)。

さいりえ
注射や手術は、もう少しあとの手段にとっておきたい…

いろんな方のご意見や情報

この時期、生徒さんのお母様や知人の方から

「わたしも出産後にばね指になりましたよ〜!少し手を休ませていたら1年くらいで勝手に治ってました!」などと伺い、勇気づけられました!

さいりえ
自然に治ったらいいな…!

また、大学の同期の友人ピアニストから、「手の調子は大丈夫?こんな専門医がいるよ」と、東京の病院も紹介してもらいました。

信頼できる情報が得られたことで、少しの安心感もありました。

さいりえ
2〜3ヶ月たっても治らなければ行ってみよう!

少しずつ練習を再開(2019年4月〜)

バッハ シンフォニア演奏動画

負担の少ない曲から練習を再開する

ピアノを弾く動作は、指を極端にピンと伸ばしたり急に曲げたりはしないので、調子が良い日は「ちょっとなら弾けるかも?」と思う日も出てきました。

そこで、動きのすくない曲から少しずつ再開。

まずはバッハのシンフォニアや組曲などから始め、小学生や中学生のレッスンでは問題なく模範演奏もできるようになってきました。

Youtube向けの録音も。

そのうち、ラフマニノフのソナタの2楽章を少しずつ読み始めました。

意外とラフマニノフは大丈夫でしたね。

とくに、指が語る、歌うタイプのタッチは大丈夫でした。

「突く」「まっすぐ打つ」ようなタッチは、まだまだ指に負担がかかる感じがしました。

コンサート出演のお誘い

この頃、コンサート出演のお話がありました。

正直なところ、それまでは

  • まだ全然本調子じゃない
  • いつ治るかわからない
  • 仮にいったん治ったとしても、コンサートの直前にまた再発するかも…

などの不安、怖さがあったので、しばらくコンサートの予定は作らないつもりでいました。

(プレッシャーや不安が、より症状を悪化させるのではとも思っていたので)

 

でも、このときに声をかけてきてくださったのはオンガージュサロン主宰の呉多美さんで、わたしがもっとも信頼する方のひとり。

そしてオンガージュサロンさんは、ピアノを演奏するという一面だけでなく、わたしという人間を受け止めてもらえる場であり、わたしという人間で何かその場に意味を(小さくても)届けられそうな気がする、そんな場なのです。

決して甘えるわけではないですが、

  • ありのままで出演できればいいのではないか
  • もし指の調子が戻らなくても、なんらかの形で出演することができる気がする…?なんとかなる気がする

という、漠然とした安心感のほうが大きく

弾きたい!

と、まず率直に思いました。

その直感を信じて思い切って引き受け、その日に向けて曲も手も準備していこうという思いになりました。

さいりえ
強い信頼関係があったから引き受けられたのです。心から感謝しています!

そのコンサートはこちらです↓

 

ここで復帰1曲めにハードなラフマニノフのソナタ(全楽章)を選ぶというのはチャレンジでしたが、きっと大丈夫だ、弾ける、という予感がありました。

そのくらい、わたしにとってパワーのある曲を選びたかったのかもしれません。

ホットヨガに行き始める

そうそう、この頃からホットヨガに行き始めました。

何事も、冷えは体の天敵。

  • とにかく芯からあたため、代謝を良くすること
  • リラックスすること
  • 体を動かすこと

などを目的に、通うことに。

はじめ、手の指をぐーっと広げるポーズのときは、やはり痛みましたし、十分に伸ばせません。

そんなときはインストラクターの方から「無理しなくて良いですよ」と言ってもらったので、左手の先には負担をかけないように気をつけつつ、全身を動かしあたためるように。

それもあって、からだの巡りはだんだん良くなってきました。

たまにマッサージしてもらうことも!

たまに朝起きたときに指が突っ張っていたりと、気になることはありましたが、冬よりもずいぶん良くなっていました

できるだけ指を酷使しないように気をつけつつ、少しずつ練習時間も増やしていきます。

コンサートでソロ曲を弾けるまでに回復!(2019年9月)

2019年7月には、ばね指を発症して以来はじめてのデュオコンサート活動も再開。

そして9月には、上に書いたオンガージュサロンでのコンサートと、ホームコンサートでのソロ演奏も行いました。

また直前に痛くなったら…と少し心配でしたが、コンサートでも痛みも違和感もなく弾ききることができました。

現在は指も完全に伸ばすことができ、9割方治った!と思っています

でもあまりピンと強く張ることはせず、少し気をつけながらの生活です。

まとめ〜いろんな要素が重なってのばね指(腱鞘炎)だった〜

この記事では、ピアノを仕事にするわたしが、指の腱鞘炎〜ばね指〜を患ってから、少しずつ回復するまでのことを書きました。

いまは、このように指も動きます。

振り返れば、いろんな要素が重なってのばね指発症だったように思います。

練習しすぎが原因ではないハズ(それなら、今年より前になっていた)。

幸い重症にはならず、薬と日常生活で快方に向かい、とてもホッとしています。

はじめにも書いたように、あくまでわたしの症例ですので、手の調子が悪く悩まれている方はお医者さんに行かれてくださいね。

この記事がどなたかの役に立てば幸いです。

 

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