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こんにちは。崔理英です。
ピアノデュオばかりの色とりどりの演奏会、「ファンタスティック ピアノフェスティヴァル」がいよいよ明日となりました。
今日は、私たち(延時幸子・崔理英)が演奏する「ダフニスとクロエ」第2組曲のご紹介をいたします。
バレエ音楽「ダフニスとクロエ」は、バレエ団「バレエ・リュス」によりラヴェルが依頼を受け、作曲されました。
「バレエ・リュス」といえば、20世紀初頭にパリで一世を風靡した、ディアギレフ主宰のバレエ団です。 ※「リュス」=ロシアの意味。
ダンサーはもちろん、振付師、音楽家、美術家など一流の芸術家たちが揃い、センセーショナルな作品を多く発表しました。
ストラヴィンスキーの3大バレエ(「春の祭典」、「ペトルーシュカ」、「火の鳥」)やリムスキー=コルサコフの「シェエラザード」、ドビュッシー「牧神の午後」など今日にも受け継がれている多くのバレエ作品がこのバレエ団により初演、もしくは数多く再演されました。
これらの作品や20世紀前半のこの文化の大きな渦にはとても興味が有り、当時の振り付けによるバレエDVDを観賞して楽しむことは時折の楽しみです。
↑ニジンスキー、フォーキンといった歴史に残る振付家の作品
(リーフレットの写真も素敵なので、ストラヴィンスキーをリサイタルで弾いた時、舞台袖まで持って行きました)
↑バレエ・リュスのドキュメンタリーDVD。貴重な映像も多く映ります。
※ダフニスとクロエのDVDは現時点で探せていません・・・
Youtubeでいくつか見つけましたが。名盤が出ないかなと期待しています。
さて、「ダフニスとクロエ」も、その時代の流れから生まれた曲の一つです。
古代ギリシアの物語を元にしており、エーゲ海の島での少年ダフニスと少女クロエの純粋な恋が描かれ、恋の始まりから、引き裂かれるトラブル、そして再会とハッピーエンド・・・
と簡単に書いてしまいましたが、物語は壮大であり、パンの神(牧神)やニンフ(女性の姿をした精霊)が登場し、宗教的な背景も持ちます。
幻想的な風景を描きながら、身近で純粋な愛情から 超然とした得体のしれない幻影までさまざまな歌、踊りが描かれています。ストラヴィンスキーの作品に似た響きも聴かれ、前衛的な要素も盛り込まれています。
ラヴェルは管弦楽の作曲に秀でていて、この作品も各楽器の持つ魅力や技量が存分に発揮されるよう作られています。また、歌詞を持たない合唱が参加するのも大きな特徴の一つです。
現在は、バレエより演奏会会場で耳にすることの方が多いのではないでしょうか?
さて、今回演奏する第2組曲はバレエ終幕までの以下の3曲から成っています。
ダフニスとクロエが再会を喜ぶシーン。細やかなアルペジオに乗る旋律が美しく、幻想的な風景を映し出します。
・・・2台ピアノでは、鍵盤の広範囲を用いて繊細なアルペジオが弾かれます。一人では再現できない、近い音域での様々な音型の重なりが美しいです。
静けさの中でフルートのソロが奏でられます。愛を象徴するシーンです。この後にくる第3曲が「動」なら、こちらは「静」。沈黙に浮かぶ厳選された音の美しさが際立ち、また次の曲への期待もジワジワと高まっていきます。
・・・2台ピアノでは、多種の楽器のイメージを再現し、またピアノならではの柔らかさやクリアな響き、鮮やかな動きも聴きどころです。
速い5拍子で書かれ、各モティーフが重なって息つく暇なく登場します。歓喜の渦の中で、踊り、管弦楽と合唱が互いに高まって最高潮となり、幕を閉じます。一度聴いたら忘れられないような魅力が溢れていると私は思います。
・・・この圧巻の1曲を2台ピアノ、4手で弾くとなると、まさに「競演」!!息つく暇のないリズムの交換が繰り返され、緊張感溢れるスリリングな舞台となるのではないでしょうか。
この曲、私たちの手元にあるだけで3つの2台ピアノ編曲版が存在しています。(もっとあるのかもしれません)
その中から今回、ロシアの現役ピアニスト、グリャズノフ氏が編曲した版を演奏します。
決して易しくはないです・・・が、「むずかしい曲」ではなくお客様を異世界の物語にお連れできるよう演奏できればと思います。
さて、長くなりましたが以上で曲目の紹介を終わります。
チケットはまだございますので、岡崎公園散策や美術館のお帰りにぜひお越しくださいませ!
2016年9月10日(土)17:30 開演 17:00 開場
入場料:3,000円
プログラムは全10組。
現在関西を中心にご活躍中のピアニストの方々とご一緒させていただきます。
ラヴェルの作品が全部で3曲、また上記でご紹介したペトルーシュカや、ベートーヴェンの第九、カルメン、日本のうた、ガーシュイン、アルゼンチンのロマンスそして2013年作曲の現代曲までものすごい一夜になりそうです。
チケットお問い合わせは こちら まで お問い合わせください。
どうぞよろしくお願いいたします。
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「《作品メモ》ラヴェル作曲「ダフニスとクロエ」とバレエ・リュス、そして2台ピアノ版」へのコメント
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