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ギーゼキングの「バッハ:半音階的幻想曲とフーガ BWV903」を聴いています。
ギーゼキングというとドビュッシーやラヴェルなどフランス音楽のイメージが強く、繊細な感覚と音色の素晴らしい録音が残されています。
実際にはもっとはるかに幅広いレパートリーで、世界中で演奏会に出演しながらもレッスンも行い、驚異的な暗譜能力を持っていたと言われています。
さて、バッハのこの曲、幻想曲という自由な形式で書かれた前半と、緊張感の高いフーガで書かれた後半。バッハの代表的な作品の一つです。
演奏機会も多く、解釈も奏法も様々な作品ですが、そんな中でもこのギーゼキングの演奏はかなり個性的です。
自由自在でスケールが大きく、骨格がはっきりしていて、古い録音なのに音がとても冴えていて美しいです。
「そんなに音を付け足して変えていいの?」と思うくらいの即興的なアレンジを加えたパッセージやアルペジオ、ところどころ耳馴染みのない音が聴こえてくるのも「味」に感じます。
恐らく、これと同じ演奏を2回することはなかったでしょう。弾くたびに変容していたのではと思わせる演奏です。
ピアノを練習するときには、どうしても「こう弾かなければならない」とか、「まとめなければいけない」などと思いがちですが、このような突出した演奏を聴くと、見える世界が変わるように思います。
(参考記事→いつもと同じ演奏はつまらない?本番ならではの楽しみを見つけたい!)
※なおこのCDは、1995年から約4年かけて刊行された小学館の「バッハ全集」第15巻の特別付録で、他にパルティータや小プレリュードやトッカータなども入っています。
私の好きな「幻想曲とフーガ イ短調 BWV904」なども入っている・・・はずなのですが、手元の楽譜と作品番号は同じですが曲が違うようです。
録音は1950年のものです。
(バッハ大全集15巻とCD)
追記:この後にラヴェルの演奏も聴きました。
録音でも、本当に美しい音色というのは胸がキュッとするものですね。生演奏は一体どれほどだったんでしょう。
ギーゼキング、そしてバッハの魅力を再認識した1日でした!
〜オススメ記事〜
《作品メモ》古典組曲とは?J.S.バッハ 「パルティータ 第6番 ホ短調 BWV830」
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