バレエ「シンデレラ」の舞台と「シンデレラからの6つの小品 Op.102」(プロコフィエフ)

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先日、びわ湖ホールで新国立劇場バレエ団のシンデレラを観ました。

シンデレラにはいろいろな思い出が。

・大学院修了時にピアノ編曲版の小品を演奏したこと
・CDを聴き、繰り返しDVDを観たこと
・音楽への気持ちが弱りかけていた時期にキーロフ・バレエを観て感激したこと

今回、久しぶりにじっくり鑑賞しました。
とても洗練された舞台で、華やかな世界に魅了されました。

プロコフィエフ作曲:バレエ「シンデレラ」 Op.87

バレエ「シンデレラ」はこんな作品

プロコフィエフの円熟期にあたる1944年に作曲されました。
この前後の時期は交響曲第5番、「戦争ソナタ」(ピアノソナタ第6〜8番)やヴァイオリン・ソナタ第2番、オペラ「戦争と平和」など数々の代表作が生まれています。

さて、バレエの物語はあの有名なシンデレラそのものです。
夢見るような世界、情景、シンデレラと王子の出会いと結ばれるまでが描かれていきます。
義姉妹のコミカルさや豪華絢爛なお城の舞踏会など見どころも多々。

プロコフィエフの音楽はこのロマンティックな世界に一種の“陰”を加え、奥行きを感じさせてくれます。

オーケストラ版のCDもあります。
中には、「劇の背景音楽」に徹している曲もありますが、とても主張が強い曲もあります。

ロンドン交響楽団×プレヴィン。

キーロフ・バレエを鑑賞した記憶

たまにバレエの舞台に足を運ぶ中で、記憶に残っている舞台があります。
特に憶えているのがこの体験です。

キーロフ・バレエのチケットを買ったときのわたし

10年以上も前のことです。

・大学院浪人
・なんとなくピアノを弾いている・・・このままで良いのだろうか?
・ピアノへの熱意が薄れている

こんな時期でした。

生の「シンデレラ」鑑賞への期待を胸に・・・

確か秋、少しずつ薄暗くなってきた平日の夜、東京・上野の文化会館の4階席に一人座りました。

期待を胸に、序曲の弦楽器の美しい音色から始まった舞台をずっと一瞬も気を抜くことなく凝視していました。
4階バルコニー席だったのでオーケストラピットをほぼ真上から観ることができました。

今でも憶えているのは、2幕のクラリネットの旋律と、王子役のダンサーが颯爽と登場した場面。
鮮烈に印象に残っています。

自分の音楽へのエネルギーをもらった

プロコフィエフは良いっ!!
音楽が好き!!
音楽が人生にあること!

猛烈に私の中でエネルギーが湧いてきた舞台だったのです。

この時期、できるだけ多くの演奏会に足を運ぶようにしていましたが、それらは自分をもう一度音楽に奮い立たせてくれた大切な記憶です。

※ピアノから離れてまた戻ってきた時期は他にもありまして、また機会がありましたら書きます。

シンデレラからの6つの小品 Op.102

6つの小品 Op.102(1944)は、プロコフィエフ本人が原曲の中からピアノソロ用に編曲した6曲の小品集です。

演奏会で弾かれる機会も比較的少ない作品ですが、この機会に簡単にご紹介。

1.グランド・ワルツ〜シンデレラと王子〜

第2幕中盤にある、シンデレラと王子の愛のワルツです。
これぞプロコフィエフという旋律。

この曲そのものも良いのですが、劇中でこのワルツに至るまでの透き通るような美しさと和声進行が最高です。
イ長調の3拍子に入る瞬間が、美しすぎて痺れます。

2.シンデレラのヴァリエーション

シンデレラが踊りのヴァリエーションを披露します。
可愛らしい1曲。

それにしても先日のシンデレラ役の小野絢子さんは本当に素晴らしい踊りでした。
優雅で可憐で、キビキビとした瑞々しさが素敵でした!

3.争い

ご存じ、シンデレラのあの義姉妹の喧嘩です。
コミカルさと滑稽さがあります。

先日の舞台では、男性ダンサーがこの姉妹を演じていました(そういう演出だそうです)。
とても愛嬌があって、登場するたびに笑顔になってしまいました。

4.ワルツ〜お城に向かうシンデレラ〜

第1幕の最終曲、お城に向かう場面でのワルツ。

何ともいえない憂い。
濃いけれどもロマンティックに溺れない、そんな世界観です。

第2幕の最終曲にもこのワルツが登場し、その後 劇的な12時の鐘の描写に移ります。

5.ヴェールの踊り

もうこの滑稽さが面白いのです。

前半はピアノソナタ第6番の第2楽章と共通点があります。

大学3年生のとき、尊敬する同門の先輩にソナタのレッスンを受けたときに「シンデレラ聴くと良いよ!」と教えていただきました。
「グロテスクで皮肉があるけれどとてもロマンティックなのよ〜〜」と。

後半は6拍子の舞曲になります。
技巧的に難しいのですが、華やかさと開放感が楽しい曲です。

6.愛をこめて

とても静かで美しい曲です。
終幕の最後の曲です。

プロコフィエフは後期ハ長調の曲を多く書きました。
この曲も最後は澄んだハ長調で終わります。

オーケストラの広がる響きをピアノで表現したい曲です。

また弾こう

学生時代、組曲版のスコアも読んで、DVDも何度も観てCDも聴いて・・・と勉強したのですが、
今回の舞台を観ながら、その時には感じられなかった「形にならない何か」を、またいろいろと感じました。

今演奏するなら、また新しい演奏をしたい。
そう思いました。

近々、弾こう!

2017年の自分を発見・・・鑑賞体験を通して

幕が閉じていくときに客席の自分の中にあったもの。実感。
これは、一人ひとり違うんだろうなぁ・・・

隣の人と、私も全然違う。
過去と現在でも、違う。

そのとき、その舞台で感じるものは、今ここにある私だけのもの。

この感覚を、自分が演奏するときにも覚えていこうと思いました。

またバレエを観に行きたいです♪

オマケ:その他オススメのプロコフィエフ作品

あえて、ピアノ曲以外をご紹介します。

・交響曲 第5番
・交響曲 第7番
・ヴァイオリン協奏曲 第2番
・ヴァイオリンとピアノのための5つのメロディ(ソナタもぜひ)
・3つのオレンジの恋 への行進曲 (中学のブラスバンド部で初めて弾いた思い出の曲)

どの曲も特長があって素晴らしい曲ばかりですので、ぜひお聴きください。

 

〜バレエ音楽繋がりでこちらの記事もどうぞ!〜

《作品メモ》ラヴェル作曲「ダフニスとクロエ」とバレエ・リュス、そして2台ピアノ版

〜そのほかのオススメ記事〜

《作品メモ》古典組曲とは?J.S.バッハ 「パルティータ 第6番 ホ短調 BWV830」

作品への理解を深めるためには本を読もう!「シューマン全ピアノ作品の研究」

 

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