こんにちは、さいりえです。
突然ですが質問です。あなたは、ピアノに向かって練習するとき
- A. 2週間後に舞台で弾く曲
- B. 3か月後に舞台で弾く曲
どちらを優先して練習しますか?
また、
- A. すぐ先にやってくるコンクールの予選で弾く曲
- B. もし予選を通過すれば出られる、本選や全国大会で弾く曲
どちらに力を入れて練習しますか?
「A」に気持ちと時間をたくさんつかっている人も多いのではと思いますが、いかがでしょうか?
わたしもそうでした。でもその結果、
「気づいたら毎回本番前にギリギリ間に合わせることになる」「せっかく予選に通過したのに、本選や全国大会の曲がいちばん納得いかない演奏になってしまった」
ということが何度かありました。
でもあるとき、この本を読み、これまでと違う考え方に気づかされました。
「7つの習慣」の中では、「A」よりも「B」を最優先して取り組むことで効率が上がり、満足のいく成果をあげられると書かれています。
今日は、わたしの失敗体験と、「7つの習慣」で学んで今は実践していることを書いてみたいと思います。
もくじ
優先順位をうまくつけられずに失敗した体験
1次予選の曲を一番最後に練習するって?
わたしが高校生のときのことです。
月に1〜2回レッスンに通っていたT先生から、あるコンクールへの出場を勧めていただきました。
そのコンクールは1次、2次、3次まで数十分ずつの練習曲やソロ曲、そして本選に進めば協奏曲・・・と、たくさんのレパートリーを必要とするものでした。
そのときに先生は
「本選の曲から練習しなさい。1次予選の曲は、一番最後に。」
と仰ったのです。
高校生だったわたしは、先生の仰っていることが大切なことらしいとは感じたのですが、なかなかそれを実行できませんでした。
2次予選以降、ましてや本選は進めるかどうかもわからないのです。
自分でも、はじめから心のどこかで「本選なんて無理だろう」と思ってしまっていました。
それで、気になってついつい1次予選の曲をたくさん練習し、大量のプログラムを準備することもできずに、そのコンクールを受けることもできませんでした。
思えば先生はとても大切なことを教えてくださっていたのにと、いまも申し訳ない気持ちになることがあります。
サボっていたわけではないのに・・・なぜ?
また、20代になって国内の大きなコンクールを受けたときも、やはり目先の本番が気になり、運良く最終予選まで進んだものの、息切れしてしまって良い演奏をすることができませんでした。
結果はともかく、悔いが残ってしまった、苦い経験です。
サボっていたわけではなく、重要なことを一生懸命やっていたつもりなのに うまくいかなかった。
なぜか?
その理由が、今ならわかります。
これは、「緊急で、重要なこと」ばかりに頭がいっていたから。
「緊急ではないが、重要なこと」の重要性を後回しにしてしまったことが一番の原因だと思います。
このことについてハッキリ書かれていたのが、はじめにご紹介した「7つの習慣」です。
「7つの習慣」の【重要事項を優先する】というキーワード
さて、書籍「7つの習慣」の中に
「重要事項を優先する」
というキーワードが出てきます。
これは7つの習慣のうち「第3の習慣」に掲げられていて、行動の優先順位のつけ方や取り組み方について書かれています。
この章の中で著者のR.コヴィーは、物事は
- 緊急か、そうでないか?
- 重要か、そうでないか?
つまり
- 1.緊急で、重要なこと
- 2.緊急ではないが、重要なこと
- 3.緊急だが、重要でないこと
- 4.緊急でなく、重要でもないこと
の4つです。
緊急なことばかり優先すると?
わたしはいつも、「1.緊急で、重要なこと」に時間を割くべきだと思ってスケジューリングしていました。
ピアノの練習でも、本番が近い曲を重点的に練習していて、遠い曲は「まだ大丈夫」と思い、どうしてもスタートが遅くなってしまっていました。
すると、一つの本番が終わると、また次の本番が目の前に立ちはだかってくるように感じるのです。
しかし、本書ではこのうち「2. 緊急ではないが、重要なこと」に時間を割くべきだ、ということを強調しています。
これを読んで、学生時代の失敗の原因はここにあったのだとわかりました。
ピアノの練習やレッスンで実践!具体的な考え方
では、重要なことがわかった上で、ピアノの練習やレッスンの場面でどのように実践していくといいでしょうか?
「緊急ではないが重要なこと」とはどんなこと?
具体的には、こんなケースで生かせる考え方です。
ケース1
日々の練習では、近く(の日程)の本番よりも、
遠くの本番や、本番の日が決まっていないような曲から先に時間をとって弾く。
(もしくは、その曲のことを考えたり、調べたり、という行動をスタートさせる。)
(時間は少しずつでも、コツコツできれば意味があります)
ケース2
レッスンで、急ぎのメインの曲があっても、スケールや他の曲も継続し、先に取り組む
(ケースバイケースですが、近年は意識的に行っています)
ケース3
すぐには変化が現れないようなトレーニング、勉強、健康管理などを重要視し、時間をとる
(以前書きました打楽器トレーニングもこれにあたります)
このようなことを、自分自身のスケジューリングにも、また、忙しい高校生たちの練習計画へのアドバイスにも、意識して取り入れています。
その結果、以前よりはずいぶん長期的な視点で物事を見られるようになり、練習計画も気持ちよく立てて実践できるようになりました。
また生徒さんにも、できる限りこの視点をもって取り組むように伝えています。
音楽には終わりがないからこそ
もう一つ、大切なポイントがあります。
単純なタスク(仕事)と違うのは、「音楽には終わりがない」ということです。
ここまでやったからハイ終わり、完成、ということがありません。
「1. 緊急で重要なこと」をずっと優先していては、その時間が終わりません。
「その日」が来るまで、やってしまいます。
そうすると、事前にやっておきたいことや長期的にやっておきたいことが、いつになってもできないんです。
それに音楽的な意味でも、少しずつ事前に取り組んでおけば、直前に急いで取り組むよりきっといい演奏になりますよね。
だからこそ、限られた時間をどうつかうか、というのはとても重要なことだと思います。
まとめ。「たいせつなこと」に気づけるように・・・
この記事では、7つの習慣から学んだことをピアノの練習に生かせるように書きました。
ふだん目をそらしがちな「たいせつなこと」に意識を向けられるように・・・
ぜひ一緒に、実践してみませんか?
※「7つの習慣」は、書籍版のほかにマンガ版や関連書籍が多数あります。
〜「7つの習慣」に関するほかの記事はこちらです〜
フリーランスの仕事とコミュニケーション 〜7つの習慣・信頼残高とWin-Win or No Deal 〜