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《作品メモ》古典組曲とは?J.S.バッハ 「パルティータ 第6番 ホ短調 BWV830」

バッハ・パルティータ6番と古典組曲の解説

この記事では、J.S.バッハ作曲「パルティータ 第6番 ホ短調 BWV830」についてご紹介します。

パルティータとは組曲の意味(語源は変奏曲だそうです)で、「古典組曲」と言われる分類です。

この「古典組曲」からご説明していき、その後に第6番の解説、そして演奏する時や聴く時のオススメポイントもご紹介します。

演奏動画もありますので、どうぞお聴きください!

バッハの鍵盤作品の中で古典組曲(古典舞曲による組曲)は重要な位置を占めています。
理解を深めて、弾くのも聴くのもより一層 楽しめると素敵ですよね。

バッハの重要分野の一つ!「古典組曲」とは

古典組曲は舞曲の集まりであり、特に当時重要だったのが以下の4つの舞曲(アルマンド・クーラント・サラバンド・ジーグ)です。

アルマンド

ドイツ由来。ゆるやかな2拍子もしくは4拍子の踊り。

クーラント

フランス由来で、高貴な踊りとされていた。複合拍子もしくは速い3拍子で、フランス風とイタリア風に分かれる。

サラバンド

スペイン由来。器楽曲としては、荘重な3拍子として発展。

ジーグ(ジーク、ジグ)

イギリス由来で、フランスでも発展。跳躍や複雑なステップを要した。器楽曲では、対位法で書かれ、複合拍子の曲が多い。
曲順もいろいろでしたが、バッハの頃には上記の曲順に落ち着き、クーラントの後やサラバンドの後などに、メヌエット、ガヴォットなど短い曲が挟まれます。

バッハの古典組曲~重要な3つと、それぞれの特徴~

バッハ作曲の全6曲の古典組曲といえば「フランス組曲」「イギリス組曲」そしてこの「パルティータ」(後述)が挙げられます。

STEP.1
イギリス組曲
(1720年前後)
STEP.2
フランス組曲
(1722年)
STEP.3
パルティータ
1726‐1730年

フランス組曲は比較的小規模で、各舞曲も軽やかな曲想が多く見られます。

イギリス組曲は大規模で、内容も重厚な曲や壮大な曲が多いことと、そして全6曲とも、各舞曲の前にプレリュード(前奏曲)が置かれているのが大きな特徴です。

パルティータは全6曲はこれらより後年に作られ(1726‐1730年に出版)、クラヴィーア練習曲集第1巻としてまとめられました。円熟した作曲技法に加え、音楽的にも充実し精神性の高い作品となっています。

パルティータの特徴は?それぞれ違う曲から始まっています

イギリス組曲では各曲冒頭にプレリュードが置かれましたが、パルティータでは、第1番から第6番まで、それぞれ違うスタイルの曲が冒頭に置かれています。

(第1番プレリューディウム、第2番シンフォニア、第3番ファンタジア、第4番オーバーチュア、第5番プレアンブルム、第6番トッカータ)。

舞曲ではない これらの第1曲目の存在感は大きく、重要な意味を持ちます。

そして同時に、第2曲のアルマンド以降に続く各舞曲がいっそう際立って聴こえてきます。

なお第2番のみ、終曲がジークではなくカプリッチォで終わっているのも興味深いです。

古典組曲を演奏する上でのポイント、聴くポイントのオススメ

演奏者が意識したいこと1. 舞曲であるということ

演奏者としては、当時の踊りの習慣やステップを知って演奏することがやはり重要です。

たとえば「強拍」と一言で言っても、のびる感じ、はずむ感じ、トンと打つ感じ・・・いろいろなステップがあります。

それから、「踊り」といっても派手に手足を動かすのではなく、ドレスを着た貴族たちがスッスッと動くような、とても優雅で洗練されたものなのですよね・・・音色も重要です。

(古典舞曲やポーランドダンスの講座を受講した感想をこちらでご紹介しています→さいりえBlog・ダンス講座

演奏者が意識したいこと2. 器楽曲として

そして同時に、各組曲が当時、器楽曲として発展していったことも頭に入れて、全体をしっかり組み立てて演奏することが重要になります。

各モチーフの展開や和声、対位法など楽曲分析も重要です。

わたしは、楽曲分析をせずに弾くことがもやもやして気持ち悪く感じてしまうので、程度の差はあれど どの曲でも必ず分析します。

また、現代のピアノでホールで演奏する場合にどのような表現ができるか?
これはピアニストによっても解釈が分かれることと思います。

聴くときのオススメポイント。楽しみや聴き比べ

そして聴く方にも、いろいろな楽しみのある曲集です。

1曲通して各舞曲の拍子感やリズム、重さ、軽さによる空気感や雰囲気の違いを楽しんでいただくのも良いですし、
バッハの作品としてじっくり和声や対位法の動きの濃密さを味わうのも良さそうです。

同じ舞曲どうしで比べてもずいぶん個性が違いますので、聴き比べてみるのも面白いです。

たとえば、

  • フランス風クーラントとイタリア風コレンテ。
  • 爽やかなジーグと張り詰めるようなジーグ
など、それぞれに光った個性を持つ曲ばかりです。

チェンバロとピアノの聴き比べも楽しいです。

聴くごとに違う発見が出てくる曲ばかりなので、ぜひいろいろ聴いてみられてください。

パルティータと現代曲を演奏した「哲学コンサート」では、演奏者のバッハに対する緊張感とは裏腹に、「心地よかったです」「とても楽しくリラックスして聴けました」というご感想を複数いただいたのが印象的でした。

(ほか、理解しなければ・・・と自分の中でせめぎあった、気持ち良すぎて寝てしまった、演奏者どうしなのでものすごく緊張して聴いた・・・などいろいろなご意見がありました!)

奥深い緊張感を表現したいと思いながらも、聴かれる方によって音楽の「楽しみ」を感じていただけるのは嬉しいことでした。[/box]

さて、パルティータ第6番はどんな曲?

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さて、そのパルティータ第6番は7曲で構成されています。

  • 最初に置かれたトッカータは即興的に始まり、真ん中に厳格なフーガが置かれた規模の大きい曲です。
    この上に書いたように、舞曲ではなく、当時の鍵盤音楽にしばしば見られた様式です。

その後、6曲の舞曲が続きます。

  • 美しいアレマンダ(イタリア風のアルマンド)
  • 快活なイタリア風コレンテ
  • 素朴だが動きのあるエア(エール)
  • 情緒深いサラバンド
  • 軽快なテンポ・ディ・ガヴォットを経て
  • 最後のジーグは不協音程が多用された緊張感の高いフーガとなっています。
名曲揃いの6つのパルティータの締めくくりにふさわしい作品です。

パルティータ第6番の演奏動画

パルティータ第6番は、全曲、崔理英の演奏動画をYoutubeにアップしています。

全て楽譜のリピート記号に沿って繰り返し、全部で30分ほどになる大曲です。
どうぞゆっくりとご視聴ください。

参考 パルティータをYoutubeで聴くYouTube

 

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