《作品メモ》 ビゼー:「こどもの遊び」 Op.22(連弾)、演奏のポイントも!

こんにちは。崔理英(さいりえ)です。
ただいま音高、音大の入試シーズン真っただ中、音楽高校では後期の実技試験が終わったところです。

そんな中 春以降に向けて最近はデュオや伴奏の合わせをすることも増えてきました。

今日はその中の一つの作品についてご紹介したいと思います。
ビゼー作曲、「こどもの遊び」(子どもの遊び)という連弾曲です。

作曲家ビゼーについて

ビゼーといえば、「カルメン」。あの有名なオペラの作曲者です。1838年、パリ生まれ。ピアノの演奏にも技巧、美しさなど大変に秀でていたと言われています。カルメンで大成功を収めましたが、36歳の若さでこの世を去りました。長生きしていれば、もっと多くの名作を生みだしていたのではと言われています。

「こどもの遊び」Op.22 作品解説と演奏のポイントをご紹介!

12曲の小品から成る作品集ですが、この1曲1曲がとってもかわいらしく、愛らしいのです。イメージいっぱいのタイトルと各曲の内容、そして私が考える演奏のポイントも、少しずつご紹介します。

1.ぶらんこ [夢想]

プリモ(上パート)とセコンド(下パート)の分散和音の柔らかなかけあい、そして優しい和声進行が、ブランコにのんびりと揺れているようです。

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☆演奏のポイント:メロディとアルペジオのバランスに気を配りましょう。メロディを担当していない人も、メロディと一緒に呼吸しましょう。アルペジオの和声の変化は、2人で一緒に感じましょう。

2.こま [即興曲]

細かなトリル、くるくるくるくる・・・と忙しく回る こま の様子が描かれています。ドキドキする曲です。

☆演奏のポイント:始めに息をそろえること!音は細かいですが、できるだけ長い小節数を一つの大きなフレーズに感じましょう。セコンドの16分音符は、一定になりすぎず、「揺れ」を感じると素敵です(もちろん拍子は安定して)。こまが止まりかける3連符の部分で雰囲気を変えられると○!

3.お人形 [子守唄]

8分の6拍子、優しさのあふれるメロディがゆったりと聞こえます。

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☆演奏のポイント:やさしい音色で、ゆれるように・・・。繊細な和声の変化を2人で感じたいですね。何より、お人形を可愛がるやさしさをこめてください。

4.回転木馬 [スケルツォ]

「2.こま」とはまた違う、くるくる回る様子が楽しいです。メリー・ゴー・ラウンドの木馬が描かれているそうです。少し哀愁も漂う和音が印象的です。

☆演奏のポイント:プリモのメロディモチーフ、セコンドの伴奏型ともに、生き生きするリズムを出してください。躍動感!同じ八分音符でも、拍や場所によって性格や動きが違うのを感じましょう。生き生きしているけれど、やはり可愛いイメージは持っていたいです。

5.羽根つき [幻想曲]

プリモとセコンドの細かく速いパッセージのかけあい。羽根が舞う様子。活気と、優雅さ、かわいらしさがあります。

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☆演奏のポイント:細かい音符が連なる軽やかさと、休符による「ふわっ」とした動きを楽しんでください。各音型の終わり(着地)がそれぞれ違う和声になっているので、そこに味わいがほしいですね。

ところで、フランスの羽根つきって、どんな感じなんでしょうか?

6.ラッパと太鼓 [行進曲]

この曲は、オペラ「イヴァン雷帝」からモチーフがとられているそうです。どことなく威厳のある、シャキッとした行進曲。ピアノで弾いているのに、金管楽器の音色が聞こえてくるようです。

☆演奏のポイント:ここは、ガラッと音色を変えたいですね。冒頭の音から、息の吸い方、打鍵のスピードも変えて「ハッ」とさせてください。ピリッと引き締まったリズム、金管楽器のファンファーレ、木管楽器のポッポッという音、弦楽器ののびやかなフレーズの弾き分けができると素敵です。

7.シャボン玉 [ロンディーノ]

のんびりしていて、少しのユーモアが感じられる間奏曲ふうの1曲です。ホッと一息。

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☆演奏のポイント:前後の曲がかなりインパクトがあるので、この曲は「ホッ」としたいですね。和声の進行もゆっくりなので、のんびりとした気持ちを持ちながらも小気味よいリズムを楽しみましょう。

8.隅取り鬼ごっこ [スケッチ]

駆け出すような動き、ストップ、スタート、意外性のある動き。弾いていてとっても面白い曲で、きっと聴いても楽しい曲だと思います。

隅取り鬼ごっことは?そういう鬼ごっこがあるんですね。私が子どもの頃は、「高おに」「色おに」「Sケン」というような遊びが流行っていました。

☆演奏のポイント:速い!シンコペーションだらけ!途中にフーガまで!と、なかなかの難曲です。でもとても華やかで楽しく、中盤の山場となる曲です。アウフタクトは、予想外のあちらこちらの場所から顔をのぞかせるようなイメージで。

そして、たくさんの子どもたちが、決められた動きではなく自由きままに動き回っている様子を描きたいので、たくさんの練習と合わせは必要ですが、その上で自由な気持ちで弾けることが大切です。

9.目隠し鬼 [夜想曲]

同じ鬼でも、前曲とはガラッと変わって、穏やかで美しい1曲です。

☆演奏のポイント:プリモとセコンドが会話するように出てきます。相手の音を感じて、自然な呼吸で入りましょう。会話のキャッチボールと同じですね!前曲と全然違うのに、「ちらっ」と顔を出したり、呼びかけてくるようなモチーフが使われていることは共通しています。変ニ長調という、フラットの多い調であることも特徴的です。やわらかな音色で大切に弾きたい曲です。

10.馬とび [奇想曲]

細かな音符が、跳んだりはねたり。子どもたちだけの世界も、どんどん盛り上がってきます。

☆演奏のポイント:躍動感と一気に駆け抜ける思い切りがポイント!3連符のモチーフは立体感のある表現を目指したいです。また、「この音まで行こう!」ということを2人で相談して息を合わせましょう。

11.小さな旦那さまと小さな奥さま [二重奏]

おままごとの様子でしょうか?可愛らしいけれど、少し大人びているような、そんな二重奏です。

☆演奏のポイント:タイトルからもわかる通り、二重奏です。高音域は明るく伸びやかに・・・、そして中音域の大らかにおだやかに・・・など、それぞれの性格や音色の特徴が出ると素敵です。プリモからセコンド、セコンドからプリモに受け渡すところは注意が必要です。音の長さや大きさ、方向性などよく打ち合わせましょう。バッハのシンフォニアなどで両手の受け渡しをする時も同様ですね!

12.舞踏会 [ガロップ]

最後は全員で楽しく踊っているようです。華やかに全曲を締めくくります。

☆演奏のポイント:どんどん新しい踊り、違うメンバーがやってきて踊り続けるように・・・エネルギーの持続は重要です。でも「こどもの遊び」。軽やかさや素直な表情をもって演奏したいですね。セコンドの右手はかなり軽めで良いでしょう。

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先日初めて、今回のパートナーのピアニスト・韓吏花(ハンリファ)さんと合わせてみましたが、2人合わさることで、美しい和声やユーモアのあるリズム、かけあいの楽しさなど、たくさんの発見がありました。

弾いていると、本当にそこに子どもたちがいる、大人には入れない子どもだけの夢の国が見えてくるようなのです。
愛らしさや、秘密めいた雰囲気、ちょっとスリルのある一瞬も。
音だけでこんな情景を浮かび上がらせることができるビゼーという作曲家に改めて敬意の念を持ちました。

この曲集は、4月以降にコンサートでご披露予定です。

ビゼーの後に演奏するサン=サーンスは、ビゼーより3歳だけ年上、同じフランスの作曲家です。
楽しみに準備していきたいと思います。

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